posted on 2022.8.16

今日の短歌

1 マグカップ覗きこむきみ覗きこむ私を覗きこむぬいぐるみ 2 チョベリグを連発してたパイセンの当たり前田になりたい ぴえん 3 The Beatles ならば死なない流行語墓場でかかる Let It ...
posted on 2022.8.13

今日の短歌

1 懐メロの範囲が違う焼き鳥のたれ塩割れるそれでもふたり 2 アイスティーに注いだミルク溶けるのを黙って見てたふたりで見てた 3 手放した風船高く消えてゆく傷よ痛みよ光に溶けよ 4 差し出した傘を受け...
posted on 2022.7.29

今日の短歌

1 欠点を見つけるたびに嬉しくて流星を待ちわびてるふたり 2 「ぼく」じゃない一人称でうめくきみ すべて私のせいにしてくれ 3 三連休しずしず終わるできたての口内炎もちゃんと愛しい 4 ハーモニカ吹く...
posted on 2022.7.14

今日の短歌

1 呼び捨てにしてぎゅっとなる文庫本めくる音さえすきと聞こえる 2 半額のシールを狙い手に取ったサラダになんて謝ればいい 3 三日月を逃した夜だ帰らなきゃきみがナイフを研いでいるから 4 くるぶしがき...
posted on 2022.7.1

今日の短歌

1 ビー玉を狙ってラムネ瓶を割るようにまっすぐ欲しがってくれ 2 海を見に行こうと床のきみがいう約束じゃなく命令として 3 ベランダで夏の星座を探してるきみに缶チューハイを差し出す 4 きみがまた下手...
posted on 2022.6.17

今日の短歌

1 天井を見上げるふたり日曜は約束なしで手をつなぎたい 2 泣き出したゼブラゾーンを行くきみは無口なままで傘をささない 3 引き返すつもりがあれば愛なんて言葉を使うわけないだろう 4 留守電にいまだに...
posted on 2022.6.4

今日の短歌

1 ソーダ水こぼしたとたん「運命」を口ずさむきみ指揮するわたし 2 錠剤に向ける視線の邪魔をする きみが見るべきなのは私だ 3 降り立ったホームでカーディガンを脱ぎ風に教わる夏への扉 4 もし栞になれ...
posted on 2022.5.20

今日の短歌

1 はんぶんこしたコロッケの少しだけ大きいほうを牽制しあう 2 コンロの火とろとろ見つめ手をつなぐ地球も星のひとつと気づく 3 ラッシュ越えきみ待っている家に着く一等賞はいつもわたしだ 4 ワイシャツ...
posted on 2022.5.9

今日の短歌

1 「ごめんね」を言い出せないで夕飯後渡すつもりのコンビニプリン 2 街あかり きみはあらゆる寂しさに若草色の栞を挟む 3 昼寝するとなりで雨を眺めてる すき の呪文はまた独り言 4 ピリオドを消し去...
posted on 2022.4.24

甘い雨

1 まぼろしを見た帰り道待つ人のいる意味じんと踏みしめながら 2 窓辺にはなお泣きじゃくる少女わたしがいて四月の空に雨を呼んでる 3 抱きしめてあげたい人がいることが現うつつにも降る涙の理由 4 これ...
posted on 2022.4.22

1 寂しさのしっぽをそっと撫でてやる怒りに変化させないために 2 さよならは音も立てずにやってくる春だ春です春であるとき 3 我が家ではテレビは地球と同じで壊れかけても気づかれずいる 4 論破して浸る...
posted on 2022.4.19

1 他人ひとのため傘を差し出すひとだけが濡れている街とても虚しい 2 傘さして待っていました穿たれた虚しさやがて光りだすのを 3 書きかけの手紙を破る さらさらと虚しさが遊びにやってくる髪 4 虚しさ...
posted on 2022.4.16

1 右耳にはじめてあけたピアス もう戻れないのが心地よかった 2 耳たぶの存在意義を問いかけて二の句失う缶チューハイよ 3 風の丘 耳にピアスを欠かしたら自分らしくはあれないだろう 4 二番目じゃダメ...
posted on 2022.4.14

1 葉桜にレンズを向ける強がって目を背けてた日々にさよなら 2 燃えさかるつつじに両手突っ込んで「お前らを漢字でも書けるぞ」 3 愛という際限のない重力に負けてしまった路傍のポピー 4 菜の花は目に優...
posted on 2022.4.11

鯖(あああ/酸性)

1 a.k.a 笹塚心琴 自意識を溶かすため強いハイターを買う 2 「新宿は嫌い」って言う人にだけ酸性雨が降り注げばいいな 3 青色の肉じゃがピンク色の空 ヘッドフォンから真鯖の悲鳴 4 いっせーの、...
posted on 2022.4.10

四月

1 明るいとサーチライトに意味はない大至急なにか思い悩めよ 2 明るいとサーチライトに意味はないけれど四月よ油断しないで 3 四月には二種類あって新しい靴を履くのは幸せなほう 4 四月には二種類あって...
posted on 2022.4.7

葉桜

1 無ってほら蕪にとってもよく似てる草冠を編んであげるよ 2 頬撫でる春風は暗い思い出を捨て去るためだけに吹けばよい 3 あの人の好きな季節が巡り来てチューインガムを吐き出す舗道 4 金星に桜が咲くと...
posted on 2022.4.3

殺し屋

1 殺し屋の履歴書「特技」の欄に「箸を正しく使える」とあり 2 「お仕事は?」「殺しを少し」笑われる 人を笑顔にするお仕事です 3 唐揚げにするためにもも肉に包丁を立てる(練習がわりにもなる) 4 帰...
posted on 2022.4.1

1 やがて夜サーカス団の解散後ひとり花びら数えるピエロ 2 舞い落ちる花弁に気づくいのちとは終わるからこそ尊いのだと 3 壊廃ののちに見上げた花曇り部屋の隅っこの古い地球儀 4 テーブルの一輪挿しに薔...
posted on 2022.3.26

リズム

1 虹を見るカニバリズムはリズムだと言い張るきみとまた虹を見る 2 空に虹となりにきみがいることと六切りパンの精緻な厚さ 3 生まれたら死ぬからねえと指先の羽虫に向けるあわいまなざし 4 ガーベラのま...
posted on 2022.3.22

まだ

1 多様性個性潰して整列の上達順に卒業してく 2 号砲を鳴らした人が先生と呼ばれてる(もう笑わせないで) 3 自尊心だったボロボロのサムシング引きずり笑いまだ生きている 4 振り向けばすべて思い出 美...
posted on 2022.3.19

かさぶた

1 かさぶたをゆっくり剥がす優しくはなれなかったと春雨の降る 2 薔薇風呂にお入りなさい美しくなりたいのなら傷つきなさい 3 綻べばもてはやされて枯れたならLEDを巻き付けられて 4 春雷を遠くみてい...
posted on 2022.3.18

傘とクッキー

1 曇りのち雨の街では誰しもが誰かに差し出す傘を持っている 2 平等はどこにもないとわかってて半分こする指先がすき 3 ラングドシャをランドグシャっていうひとの気持ちがどうか潰れませんよう 4 灰色が...
posted on 2022.3.17

卒業

1 卒業を脱出と呼ぶ傷だらけのきみを誇る人がいるから 2 「おめでとう」監獄からの卒業をみんなきちんと祝ってくれる 3 今どきは卒業証書もQRコードだといううわさを聞いた 4 振り向くなそこに希望など...
posted on 2022.3.14

花る

1 もし花るという動詞があったなら視界はもっと色を知ってた 2 花れたら見えてる景色が違ってた近すぎるから枯れてしまった 3 教養の寡多を競った日々を抜けどれだけ花ることができよう 4 花としてあるい...
posted on 2022.3.8

1 睡眠とスイミングとが似てるのはむかしむかしに魚だったせい 2 ぬめひかるうろこだらけのまるで春あれはためいきなんかじゃなくて 3 カーテンにきみの涙が遺ってて魚になったことの証明 4 左から振り子...
posted on 2022.3.2

ひとりいちごつみ

1 カラマーゾフの兄弟の中巻だけを抜き取って夜に駆け出す 2 上巻の次は下巻と思ってたまさか中巻があるとは(春だ) 3 犯人は春風もじき盗むだろうわかれ道には梅の花びら 4 ついたてに阻まれていま僕た...
posted on 2022.3.1

月明かり

1 月明かり寂しい人だけ乗るバスのエンジンになるあなたの涙 2 カーテンをはさみで引けば月明かりあなたの寝息聞こえてました 3 理由などあとからでいい今はただ月明かりのせいにしてさわって 4 曇天をと...
posted on 2022.2.23

告白

1 干からびた蝶を燃やす火 忘れたら許されたのと同じことだね 2 カポエラかカポエイラかで揉めたよねシャペウ・ジ・コウロが告白だった 3 雨の日につけあった傷鮮やかに全治一生であれと祈る 4 (内緒だ...
posted on 2022.2.21

共犯

1 観覧車ひりひり上がる 天国の一番近くで泣き出しそうだ 2 まだ誰も見たことがない症状を見せてあげますお部屋においで 3 セロテープを噛むと甘い 教科書に載ることだけじゃきみが見えない 4 テーブル...
posted on 2022.2.21

か細い夏

1 ピアノ線よりもか細い夏でした 音階のない波を見ました 2 フロアからテナント去って白い壁 間違い探しの終わらない夏 3 犯人の名前かき消す蝉の声 悪くない人だけが泣いてる 4 PASMOには二十五...
posted on 2022.2.21

速報

1 薔薇の咲くような笑顔でといわれてまずはまぶたをひっくり返す 2 プチプチを潰しています 世界から緩衝地帯を奪っています 3 靴ひもを結びなおしているうちに間を詰めてくる公園の鳩 4 (ラブソング)...
posted on 2022.2.19

少女

1 ブランコを思い切り漕ぐ大人にはなりたくなかった つま先で蹴る 2 「ジュラ紀にもいじめが存在したらしい」「変わらない良さがありますねえ」 3 鉄くずが人工衛星だったころわたしもみんな大好きだった ...
posted on 2022.2.15

早春

1 白壁にピンクの|花弁《かべん》春はすぐそこまで来てる(頭が痛い) 2 苛立ちは生ぬるさゆえ風さえも優しくなってしまう季節だ 3 ぎちぎちにイルミネーションを巻かれた桜が笑うまで、あと●秒 4 その...
posted on 2022.2.7

1 鞭打てばいうことを聞く獣ども論理だててもむごいはむごい 2 消えかけの炎を愛でた日々があり強風の日は笑い続けた 3 のど飴を舐めているからヒトだろうそう簡単に殺してはだめ 4 幸せな日々であったと...
posted on 2022.2.5

1 はち切れる寸前の糸携えて一人ぼっちで微笑む真昼 2 屋根裏に取り残された人形が謙虚さを求められてぷっつん 3 サイレンが近づいてくるきみはまだ夢とうつつを彷徨っている 4 糸くずの存在価値はきみだ...
posted on 2022.2.4

揺れる

1 揺れている洗濯物を眺めつつ「明日あしたも生きていたいね」ときみ 2 久々に結った髪の毛(少女には戻れないこと承知の上で) 3 春を待つ前髪を切る咳をする優しすぎると苦しくなるね 4 にびいろのぶら...
posted on 2022.2.1

ドーナツ

1 ドーナツはみんなの事実 優しくて甘くてみんな否定できない 2 まなうらにドーナツ浮かべ傷つけた人のことなど思い出してる 3 ドーナツを2つに割ろうつらさとか悲しさがそうあれますように 4 なかんず...
posted on 2022.1.29

1 「空あり」をそらありと読むきみがまた壊れかけてる土曜日の午後 2 ふうん、そう。黙りこむきみが何度も殺した虫を目で追いかける 3 もうじきに空は落ちるわその前にルーズソックス捨てておくわね 4 ピ...
posted on 2022.1.26

1 サボテンを買ってきました僕たちの家は小さなオアシスでしょう 2 常識という名の棘を引き抜いて血まみれのまま笑いましょうね 3 冬薔薇のあかしろきいろ鮮やかに傷つく人の影だけ綺麗 4 忘れ物ってこと...
posted on 2022.1.26

1 気もそぞろなんでしょうねとレンズには何にもなびくことのない鳩 2 バラバラになる自意識!アスファルトを一雨ごとにえぐる徒花 3 原稿を読み上げるひと訥々とそれを見るひと(平和ではない) 4 似たよ...
posted on 2022.1.22

寂しい倫理

1 倫理って風鈴の音からとったって嘘だとしてもなんか嬉しい 2 常夜灯消せない夜に寂しさを打ち消すために手に取るスマホ 3 ひまわりが咲んでた畑に寂しさがバレないように拍手を送る 4 倫理をろんりと読...
posted on 2022.1.21

カーテン

1 カーテンのふくらむ部屋で唇のカサつき舐めるきみだけの刻 2 鬼ごっこごっこのままで終われないぼくらの結節点を誤魔化す 3 遮断機の向こうで笑うきみを見た花束は死骸の寄せ集め 4 帰ったら熱いお茶で...
posted on 2022.1.18

宇宙

1 銀紙に銀河をひとつ閉じ込めてゴミ箱に狙いを定める夜 2 デニールのうすいつま先でいじくる果てるためあるあなたの宇宙 3 宇宙人だとしてそれが問題にならないくらいあなたが好きよ 4 口開けたままでは...
posted on 2021.12.30

1 封筒の切手を丁寧に剥がすのは夢から覚めるのが下手だから 2 クッキーが焼きあがるまで起きないで銀世界だと気がつかないで 3 白線の外側へゆく人たちに手をふり返す冬の夕暮れ 4 イルミネーションの明...
posted on 2021.12.28

1 風を受け素直に泣けた夜にだけ銀河の果てに咲く花がある 2 もう二度と会えない人にLINEするしゃぼん玉みな壊すつもりで 3 花束を贈りたい人がいることより重いわけなど知りたくもない 4 花びらを口...
posted on 2021.12.23

喫茶店

1 喫茶店 死にたくなると溶けかけの氷を口に含んだ二十歳 2 カウンター席の隅っこで目が合ってキーボードでunmeiと打つ 3 禁煙かどうか聞かれて「大丈夫です」ここでなら泣ける気がして 4 待ち合わ...
posted on 2021.12.22

鼓笛隊

1 背伸びして一口すするカクテルでちゃんと酔うから馬鹿にしなさい 2 見上げればコールドムーン ラジオから知らない人の結婚報告 3 知らないと知りたくないのあいだには八分休符が群生してる 4 笑い声泣...
posted on 2021.12.13

1 アルペジオ星を追った夜 切なさを携え息する獣が二匹 2 流星は儚いねって泣くきみの保障されない明日を想う 3 なぜ星が美しいのか(命から最も近い場所にあるから) 4 星がいまきみのなかでハレーショ...
posted on 2021.12.6

1 月明かり左手首の傷痕に名前を付けた 消えないように 2 偏差値が偏見差別の値だと気づいた人に満ちてゆく月 3 月のない夜にランパトカナルする いのち、いのち、いのち、いのち 4 搾取する/される関...
posted on 2021.12.1

指先

1 送信を取り消しました の跡あり猜疑心さえあなたゆえなら 2 鎖骨からまぶたにかけて指先でなぞられたなら地球が止まる 3 唐揚げを持ち帰る夜ふたりして風になれたらいいね冬だね 4 流行語にはなれない...
posted on 2021.11.27

デート

1 楽しいね楽しいねって連呼して楽しいはずと言い聞かせてる 2 風船の割れる音までそそのかす あたしあなたを裏切るかもな 3 楽になるのと楽をするとの間の距離がまさしくあなたとのそれ 4 白ワンピ今宵...
posted on 2021.11.21

M

1 一滴の染みを気にする君なのに今宵笑って雨に打たれて 2 ボージョレを飲み下すのど動くたびグラスを割って溺れたくなる 3 許されるために上書きをしてゆく記憶(ずるいだけだよ) 4 塩味を涙の味と言い...
posted on 2021.11.19

ニュース

1 「川はみなやがて海へと還るから寂しさからは逃れられない」 2 トレンドを気にする前に思い出を燃やすべきです深呼吸して 3 (いくら手を伸ばしたところで届かない)知りたくもないニュース速報 4 フェ...
posted on 2021.11.16

1 空も見ず中指ばかり舐めるひと悲しいことがあったのですね 2 モノクロの虹がかかった空に向け青く染まった舌を差し出せ 3 また空を飛ぶ夢を見た月曜日変なうさぎが隣で寝てる 4 唐揚げにレモンかけるか...
posted on 2021.11.4

例外

1 いつか来る別れのために歯を磨くショートフィルムに収まりたくて 2 抱きあえて僕らよかったいつの日か別れが来てもこれは永遠 3 思い出になるくらいなら赤ペンででっかいばつをつけてください 4 たいて...
posted on 2021.10.27

1 玉ねぎの皮を剥く手が止まらない流星群の夜のキッチン 2 サイレンは他人事として鳴り響く禁じられないシーソーゲーム 3 街宣車その勢いで火星までいってらっしゃいというさよなら 4 ツユクサの青をヒー...
posted on 2021.10.24

1 水槽の鯵と目が合う天国の入口にいると自覚している 2 夜空には無数の目玉もうやめて気が済んだって破裂しないで 3 ランドルト環のぱっくりしてるとこに指を入れたらぶにゅっとしてる 4 眼球がごろごろ...
posted on 2021.10.21

まつ毛

1 離れれば離れるほどに輝いてみえる故郷の最寄りのスタバ 2 頑張れは命令なんかではなくて代替不可な祈りの言葉 3 この爪も化石になれば誰かから求められると信じて舐める 4 触角も羽もしっぽも失ってそ...
posted on 2021.10.9

1 UFOがいない証明ができずに実りの秋だ誰を責めよう 2 天狗からもらったサイン本として神保町の東に隠す 3 星の降る街に暮らしてふたりきり 部屋は狭いほうがいいと笑う 4 宇宙にも終わりがあると信...
posted on 2021.10.1

1 ワイパーが動き出したら息を止めせめて時間を忘れさせてよ 2 シネマでは結ばれていたあのふたりブレーキペダル強く踏み込む 3 はじめからわかっていたよ花束は作り笑いを誤魔化すためと 4 味のないガム...
posted on 2021.9.29

伝言

1 エラ呼吸できないぼくら輝きは確かにあの日失くしたうろこ 2 うろこ雲見上げて歩く帰り道 神さまがまた居留守を使う 3 そばにいてなんて言えない留守電に悲鳴を入れたなんて言えない 4 言の葉が紅葉し...
posted on 2021.9.26

食卓

1 ふっくらと焼き上がったね僕のためだけに死んでくれた秋刀魚ラブ 2 それぞれの自宅に小さな火葬場がグリルという名で存在をする 3 おいアヒルお前の兄は目の前の丸焼きとして立派であるぞ 4 カブトムシ...
posted on 2021.9.24

1 苦しくて金木犀を手折るきみ逃れられずにそこかしこ秋 2 冷凍庫の奥に隠した金魚たち人を恨むか夏を騙るか 3 満月は欠けてゆくのみ きみはまだ白紙の手紙燃やせずにいる 4 二つめの月は青色回転灯まち...
posted on 2021.9.15

すっぴん

1 すっぴんで葬った過去 果てしない季節の巡りに逆毛を立てる 2 ラジオからやっぱりきみのSOS 聞こえないふりして眠りたい 3 ワイシャツのボタンを掛け違えている 気づいたけれど教えてあげない 4 ...
posted on 2021.9.12

パンケーキ

1 見つかった小指がとても嬉しくて落ち葉を好きなだけ蹴り上げる 2 深爪が疼く 秋には許される予定で道を間違えてきた 3 カナリアをお道具箱に閉じ込めた秘密わけあう少年ふたり 4 沈黙を分けあえるから...
posted on 2021.9.8

カーテン

1 「天国をまだ知らないの」「そら、ええな」天使にも見るダイバーシティ 2 待合のアクアリウムをじっと見る きっと今ならショパンが弾ける 3 ポタージュが恋しくなれば記念日を忘れることも愛しさのうち ...
posted on 2021.9.4

果実

1 私です、ブルーベリーをジャムにするつもりもないのに潰したのは 2 手紙には書けないけれどやりました 柘榴朽ちれば赤いじゅうたん 3 できるだけ早く助けてくださいね ジャムにするには甘すぎるから 4...
posted on 2021.8.31

1 美男美女ばかり出てくる作品のエキストラにもなれないネイル 2 雨が降る 泣く人泣いてるふりの人 誰の罪かはまだわからない 3 ふわふわの鳥はかわいい羽ばたいて早くお逃げよ(きっと美味しい) 4 き...
posted on 2021.8.26

化物

1 稜線の向こうにはもう何もない 白い絵の具を買って帰ろう 2 ゆりかごを燃やすための火吹き消して胎盤を食む生き物のこと 3 化物と呼ばれるために100点のテストに全部火をつけようか 4 火をつけるた...
posted on 2021.8.25

事態

1 嘘でしょ、のあとに嘘だとわかったら嘘が嘘でよかったと嘘つく 2 バス停で行き先のないバスを待つ隣でオツベルが辞書を引く 3 鳥かごで意味を飼ってはいけないとつぶやいた人ちゃんとほどけた 4 階段を...
posted on 2021.8.22

仕組み

1 聞こえないふりを貫け嗤い声はやがて必死な声になるから 2 鉄線の上で身動きしない鳩の代わりに空を汚しにゆこう 3 ハート型の雲よ浮かぶな結局は消えてしまうとばれてしまうよ 4 彼岸との接岸点に立っ...
posted on 2021.8.21

1 風上にきみがいるなら薔薇だけを選びはだしで走って向かう 2 鮮魚たち値引きシールが光ってる閉店間際のいのちの値段 3 無精卵ずらりと並ぶコーナーの裏で売られる生理用品 4 遺言が暗号で記されており...
posted on 2021.8.21

1 凪を待つ蝶々みたいに呼吸する 明日いいことありますように 2 死にたさをまだ剥がれないかさぶたの下に生まれる皮膚は知らない 3 きみが今どこで誰と何をしているなんて知らない(西風よ吹け) 4 壊れ...
posted on 2021.8.3

馬鹿

1 四月馬鹿八月もまた騙されて拍手の渦に身を潜ませる 2 どうしたらいいかわからずどうにでもなれと引き金に手をかけた 3 リュックから長ネギがはみ出している彼の日常に差す黒い影 4 特急が見逃してきた...
posted on 2021.8.3

夜明け

1 日に焼けたポスターの赤誰のせいにもできないニュース速報 2 諍いの声が聞こえる誰のせいだろう夜明けがこんなに遠い 3 論破って名前を犬につけましたどこへ行っても素直な論破 4 ヒンメリの影を指先で...
posted on 2021.7.30

1 蝉時雨まだ許されていない午後伝う汗まで私を責める 2 わからないことがわかると宝物ひとつ失くした気持ちが実る 3 月まででいいから早く連れてって片道切符で構わないから 4 老いという現実はにび色を...
posted on 2021.7.22

1 何回も同じCMの流れるリビングの隅に浮く金魚たち 2 夏祭りあやまちさえも彩りを増すか夜空の打ち上げ花火 3 真っ白なシューズをおろした夜なのに月が視界に飛び込んでくる 4 叫んだら許されますか良...
posted on 2021.7.11

迷子

1 冷暗所で爪を噛んだおかげで孤独を辞書で引かなくて済む 2 おかしいな規則正しく生きてきた規則正しく生きてきたのに 3 生まれたらカウントダウンがはじまるから泣きながら生まれてきたの 4 だれだれが...
posted on 2021.7.6

喪失

1 手鏡に向かい笑顔の練習を毎夜しているひとの屋根裏 2 喪ったひとを捜して鋲を打つ 二度とどこへも行けないように 3 ひろしたちひろしたちひろしのショパンは犬のサイズがやたらとでかい 4 マリー・ア...
posted on 2021.7.3

関係

1 終わったら虹をみようと約束をしたのにすでに虹を見た顔 2 唯一の接点だった虹の根を残らず燃やすために微笑む 3 水たまりアドリブでしか暮らせない僕らを嗤うものだけが棲む 4 関係を問いかける声/続...
posted on 2021.6.21

きみ

1 眠りからさめてまもなく迷子だと気づいたきみの見事なターン 2 風呂上がり湯気たつきみのくちびるがオペラをなぞる夏至の夜更けは 3 きみと手を繋ぐスクランブル 卵は手軽に割れるいのちだ 4 きみの目...
posted on 2021.6.19

連鎖

1 ホームドアのない通過駅で固める決意ありデートに遅れるひとが増える 2 ホームドアのない駅に街宣車突っ込むみんなのことを守るためだと 3 猿から進化したにせよずいぶんと生きづらい形を選んだものだ 4...
posted on 2021.6.17

呼吸

1 かさぶたを剥がし呼吸を止めるときにだけ生まれ変わりを信じる 2 首を振る扇風機のごと拒否権があるのかそうかもう泣きそうだ 3 角砂糖溶けてゆくのを待っているそのあいだにも燃え尽きる星 4 あめ玉を...
posted on 2021.6.11

1 雨に添う少女の影を庇うため紫陽花たちが深呼吸する 2 人知れず閉じた心を携えてただ梅雨明けを恐れて暮らす 3 怪物に食い破られたワンピース雨がやんでも脱げないでいる 4 雨上がり叫んでいいと許可さ...
posted on 2021.6.10

写真で短歌

posted on 2021.6.5

待合室

1 剥き出しで手渡しされた診断書の乱れた文字がわたしを騙る 2 看板の「人に癒しを」看破する最近視力の下がったまなこ 3 金魚鉢 待合室の人々は加速度を上げ破滅へ向かう 4 癒す人癒される人それぞれの...
posted on 2021.5.29

1 月蝕を隠した雲の優しさに気づいた人からほどかれてゆく 2 あの蝶があなたのような気がしては右から順に手にかけてゆく 3 動かない時計の針に触れているあなたのために水汲みにゆく 4 好きという呪いが...
posted on 2021.5.23

東京

1 阿佐ヶ谷の次は荻窪 正しさはレールの上の幻想として 2 生き方のハウツー本を手に取って泣けてきたなら間違ってない 3 今踏んだ蟻にも命があったことちゃんと忘れて生きてゆきます 4 線路から飛び立っ...
posted on 2021.5.12

ソーダ水

1 土曜日は海を見に行く大丈夫大丈夫って波が鳴くから 2 好きなひとのいちばん嫌なところまで好きになるってありなんですか 3 更新が止まったサイトで何年も明滅をする「新着!」の文字 4 ソーダ水に指を...
posted on 2021.4.30

事件

1 あなたではない人だから遊園地なんて爆発すればいいのに 2 私さえ気にしなければこの式はとても素敵だ(あああ気になる) 3 落とし穴を作る人は悲しいね誰かが落ちるのが成果だもんな 4 他人事は他人事...
posted on 2021.4.25

あれ

1 罪のない嘘をついても嘘は嘘昨日の自分はいつもかわいい 2 メロン入りメロンパンってありますか?何か不都合がありますか? 3 現代に介錯人がいるのならあの子の部屋に届けてあげて 4 長文のLINEに...
posted on 2021.4.18

静脈

1 ハミングをしても針に糸を通してもまだ永遠を編めないでいる 2 電車とは走る棺かもしれない 祈りを添えて朝が生まれる 3 眼球にきみが映ると寂しくて瞬きするの忘れてしまう 4 選択をしなかったほうの...
posted on 2021.4.15

1 細胞が分裂をするときの音に耳を澄ませて生きております 2 やめてって言えば言うほどお願いが叶うんだって知ってた?(やめて) 3 東京に特許許可局はないことを悲愴なこととして伝える土鳩 4 人びとは...
posted on 2021.4.1

四月馬鹿

1 遊びではなかったと知り組んだ手がほどけなくなる児戯プレイング 2 結ばれず熟れゆく月が溶けるときうさぎの声でるるらと叫ぶ 3 きみはきみだけを信じていればいいなんて嘘なら私がついた 4 懐メロを口...
posted on 2021.3.26

加工

1 スカートを揺らす花風 死んだってAIがいるからもう大丈夫 2 「新宿で人身事故が起きました」他人事としてアプリを閉じる 3 パスポート渡航予定に天国と書けば窓口のひとが微笑む 4 Facebook...
posted on 2021.3.23

三日月

1 曇天を割って光ったスマホには返事の返事みたいのが来る 2 触れた舌すら体温をいつの日か失うことがこんなにこわい 3 ペーストをしたら見たことない星座が春のシーツにるんと生まれた 4 三日月が目薬の...
posted on 2021.3.20

バランス

1 遠雷を聞くコンビニのイートインぬるいうどんが今はおいしい 2 忘れ物しか忘れずに生きてきたからノーベル賞をもらってもいい 3 生まれ変わったらシーソーのまんなかでバランスをとる名人になる 4 名を...
posted on 2021.3.19

他人事

1 ステータス「どく」のまんまで日の入りを待っている道もう歩けない 2 春雷に傘はいらないもう少しだけ罪人でいさせてほしい 3 傘さして雨粒にさえ拒まれて骨になるまでひとりでいたい 4 焼きたてのパン...
posted on 2021.3.12

1 捨てられるだけの尾ひれがひらひらと彼岸で我を手招いている 2 この街にかもめはいない錆びた目をひっさげ歩く魚ならいる 3 包丁のせなで弾かれゆく鱗きらきらとしてああ生きていた 4 包丁でずんと切断...
posted on 2021.3.8

勾配

1 若さとはあっという間に過ぎるからせめて各駅停車で帰る 2 切り分けたケーキの小さいほう選ぶそういう人から幸せになれ 3 春、薄いブラウスをすぐ脱ぐときの罪悪感は酸味が強い 4 ポケットにあったプリ...
posted on 2021.3.5

声援

1 右上に赤い数字が灯るたび白い小鳥がぴこりんと笑む 2 切りすぎた前髪を誰も気にしない本日はよく晴れていますね 3 しゃぶしゃぶと2回言わなきゃいけないと道徳の時間に知りました 4 がんばれやごめん...
posted on 2021.3.1

雲雀

1 宝箱閉じるみたいに命日がいつになるかは触れないでおく 2 By the way , why were you the rain? ってなんで英語で遺言するの 3 編み物が好きでしたよねよくここで変...
posted on 2021.2.28

如月

1 モーションはスローでエモーションはリピートで若さは早送り 2 勾配のきつい坂道下るひと「ああ人生ってこういう感じ」 3 残高の0が減るたび天国が近づいてくる(そういう仕組み) 4 きみの傷、憂鬱、...
posted on 2021.2.22

ねこ

1 フライパンのうえで色づく目玉焼きはいつも私をじっと見ている 2 合い挽きを合成獣と認識しハンバーガーを口にする夜 3 問)黒い帯が目元に描かれた履歴書を受け取る人の気持ちは? 4 渦巻きを眺めてい...
posted on 2021.2.13

ゆれる

1 ゆれるゆれるゆれるゆれるゆれる(存在をさせていただいております) 2 おくすりをもらいにゆく日許可されてもう一ヶ月生き延びてみる 3 八月は今も苦手だ終わるとき左手首が疼いてしまう 4 あなたこそ...
posted on 2021.2.6

「は」

1 白シャツでカレーうどんを食べるひとだから私は惹かれたのです 2 真夜中にきみの寝言で目覚めても首を絞めたりはしないからね 3 おやすみは優しい響き また明日目を覚ましてもいいなと思う 4 あなたに...
posted on 2021.2.4

1 風を呼ぶさかさまつげにマスカラを塗ったとたんにほころんだ春 2 苦しいと瞬きをする癖があり診断したがる人種がいる 3 大丈夫大丈夫って口癖は大丈夫じゃないときに出てくる 4 雨上がり間違いなんてな...
posted on 2021.2.1

1 ト音記号へし折ってから五線譜に愛を書き足したの誰ですか 2 ドップラー効果でしょうかついさっききみの口からしねときこえた 3 大嫌い 言った直後に口の中がひどく酸っぱくなるほど大好き 4 後遺症←...
posted on 2021.1.24

1 大切なことは二度言う隠したいことは何度も言って誤魔化す 2 に、ん、げ、ん、は悲しい響き我慢して逃げないって言ってるみたい 3 獣から人に戻るときにまとうその切れ端でいいからなりたい 4 食べ物と...
posted on 2021.1.24

ですとろい

1  夢をみる夢からさめて夢のなか わたしは火星探査のとちゅう 2  標識に〈人に注意〉の表示あり 確かに気をつけなければならない 3  体温を測るたんびに季節とはうつろいゆくとデジタル表示 4  神...
posted on 2021.1.21

歌集未掲載の歌

1 ハモニカが上手に吹けたそれだけであのころ呼吸も上手だった 2 さかあがりはじめてできた帰り道 お母さんの赤いマニキュアきらり 3 制服のポケットに隠したカッターを出せないままでもう三学期 4 夢 ...
posted on 2021.1.9

前日

1 いちご味といちごは違うそれだけで絶望できた頃に戻ろう 2 レモンを家の本棚に隠して本当に爆弾になる半年後 3 青春はビタミンCが過剰です風邪を引いても平気なくらい 4 くしゃみして一歩だけ死に近づ...
posted on 2020.12.28

忘れ物

1 伸びすぎた爪を切るとき残酷になりきれなくて過去が居残る 2 パーフェクト百点満点ですあとは欠けてゆくのを待つだけの刑 3 月見そば最初に黄身を潰すきみ なにが大事かわかっているの 4 光こそすべて...
posted on 2020.12.27

1 はりつめたミルクの膜を破るときスプーンだけが知った背徳 2 飽きられたおもちゃを捨てるゴミの日に印をつけてあるカレンダー 3 クリスマス過ぎ去ったあと残されたサンタの脱衣を門松に刺す 4 平等は大...
posted on 2020.12.26

日常

1 踏切の遮断機が好きあの世とはこの世の続きと教えてくれる 2 初恋は片側交互通行の道路みたいにすぐにつかえる 3 朝寝坊してもいいって気がついた朝に限って頭は冴える 4 助手席は特等席だアクセルを踏...
posted on 2020.12.21

三つ編み

1 いつの間に秋はどこまでいったやら知っている人は黙っている 2 三つ編みをほどいて笑う練習をするための部屋は虚無の在り処 3 鍵かけた日記の鍵を失くしたらあの日のことは永遠になる 4 冬だから飛び降...
posted on 2020.12.16

片想い

1 クリスマスまでにかわいくなりたくてワンピに託す時限爆弾 2 何してもきみが思考の邪魔をする好きにならせた罪を償え 3 既読からはや1時間返信の来ないスマホと沈没したい 4 告白の練習をしてクッショ...
posted on 2020.12.13

輝き

1 手に入れたとたん輝き失くすから大事なものは遠くから見る 2 苗字から下の名前になった日の胸の痛みを日記に残す 3 口ぐせを笑ってくれた人がいて冬の空にも虹が架かって 4 今度いつ会えるかなってLI...
posted on 2020.12.10

イルミネーション

1 まんなかにふたりの指が交差して寂しさ埋めるイルミネーション 2 街角のイルミネーションまた少し息が苦しい綺麗なだけで 3 明滅のイルミネーションに隠れて笑ったきみの出すSOS 4 広告によく知らな...
posted on 2020.11.29

初冬

1 まだ指で疵を数えている人に初冬の風は容赦なく吹く 2 吐く息が白くなったら人々は大事な人を想うのだろう 3 あんまんを分けあう人がいたとして基本的には一人で食べる 4 泣くこともできずに心凍らせた...
posted on 2020.11.25

晩秋

1 流行に乗り香水を買ったけど自分のせいにされたくはない 2 散り終えたあとの枝にもブランコの紐が括られ少女が遊ぶ 3 あたためたミルクに張った膜ひとつ曖昧なまま破る真夜中 4 金魚鉢ひとり寂しくない...
posted on 2020.11.20

文房具

1 叫んだら届くだなんて嘘でしょうボールペンさえ消せる時代だ 2 削るほど鋭利になってく鉛筆は心模様の代弁をする 3 落書きを消すためだけに使用する修正液が上塗ったもの 4 人を刺すことさえできる道具...
posted on 2020.11.18

1 木枯らしは過日のきみの歌声を遠く遠くへ連れ去ってゆく 2 スカートをめくる北風もしかして私は恋をしたんでしょうか 3 傾いて置かれたままの写真立てのなかのきみは風を知らない 4 落ち葉舞う朝を迎え...
posted on 2020.11.16

カクテル

1 背伸びしてキールを飲んだ5分後にくたっと肩に寄りかかるきみ 2 新しいリップを買ったばかりでも別れ話に関係はない 3 ふられた日ブルームーンを飲み干して海を見にいく予定を立てる 4 リクエストソン...
posted on 2020.11.13

恋する星座

1 偶然が必然になる瞬間は辞書には「恋」と記されている 2 また会える約束だけがオリオンのとなりで今も瞬いている 3 綺麗事という必要悪があり今日もなんとか生きてゆけます 4 オリオンのいちばん右で光...
posted on 2020.11.11

晩秋のカニ

1 コンビニで肉まんを買ういつもの儀式のように冬が近づく 2 道端に冷えたコインが落ちていて寂しくなっていいのだと知る 3 1プラス1が2になるとき0はレゾンデートルを探しはじめる 4 くちびるをくっ...
posted on 2020.11.8

のど飴

1 のど飴をくれた人から幸せになれる仕組みを早く作って 2 口当たりのいい言葉を多用する優しい人を見たことがない 3 自己犠牲という言葉を知らずとも「みんな違ってみんな」がそれだ 4 誰かさんの機嫌の...
posted on 2020.11.5

霜月

1 心にも花が咲くとはいうけれど根を張る場所を誰も知らない 2 踏切の赤いランプが明滅に溺れるたびに仔猫がよぎる 3 桜などモブでしかない霜月の街路にひとり佇む天使 4 そのままのあなたでいいと言われ...
posted on 2020.11.2

きみのとなり

1 行き先を知らないバスに乗るようなきみのとなりで過ごす日常 2 いつかまたきみが壊れてしまったらリビングの薔薇を新しくする 3 美学には程遠い場所にある生き様をどうか笑っていつもみたいに 4 駅前の...
posted on 2020.11.1

空が青すぎた日

1 青空はとうにふたりを見放して気づけば秋も過ぎ去ってゆく 2 泣いたなら強くなれるの仰ぎ見た空にひとつも雲はいなくて 3 いい天気あまりに今日はいい天気きみが堕ちても気づかないほど 4 すずかけの葉...
posted on 2020.10.27

天気雨

1 いつの日かわかりあえると信じてもブルーブラックインクは滲む 2 私から嫌いになると思うからもう少しだけここにいさせて 3 おやすみがうまくいえないまた明日会えるはずだと信じられずに 4 ジュテーム...
posted on 2020.10.23

コンビニ

1 このおかずあたためますか?と訊かれてお願いしますと涙ぐむ夜 2 新作のスイーツ登場またひとつ我の行手を阻む刺客め 3 同じ色同じカロリー同じ味 棚に並んだドリアの小海老 4 午前2時になるとひとつ...
posted on 2020.10.20

コーヒー

1 ブラックに口をつけたら短めのワンピを着てもいいと思った 2 溶けてゆくミルクを混ぜることもなくひとつになるのをじっと待ってる 3 いつも朝にきみが淹れる一杯は視界を明るく照らすルーティン 4 切り...
posted on 2020.10.18

1 もしきみが降ってくるなら曇天も悪くはないな(傘はいらない) 2 新しい傘を買った日誰よりも雨に焦がれているワンピース 3 うろこ雲のしっぽ目で追う横顔をずっと眺めていようと誓う 4 もしきみが雨予...
posted on 2020.10.17

ピアス

1 まだなにもわかっていないことだけはわかったそんな気がするだけだ 2 すごろくのあがりのマスのすぐそばにふり出しに戻るマスがある 3 コスモスの花冠に触れたくて触れたら朽ちるそんな関係 4 白鳩の羽...
posted on 2020.10.15

沈黙

1 赤い羽根飾ったひとの何割が鳥の痛みを思うのだろう 2 いっせーの、でジャンプをしよう二分後に特急新宿行きが来るから 3 テーブルに並ぶナイフとフォーク見て「切って刺す」って呟いたきみ 4 花束と拳...
posted on 2020.10.10

恋人

1 きみの住む街へと進む各駅に乗り換えるとき降る三連符 2 特別じゃなくてきみにとっての当たり前になりたいだけです 3 秘密って甘いにおいがするんだね「ごめん」だなんて通用しない 4 なにごともなかっ...
posted on 2020.10.9

ドーナツ

1 ドーナツの穴をのぞけばその先にいつも通りに壊れてるきみ 2 食べかけのドーナツでいい差し出せるものはなんでもきみからほしい 3 腕時計だと思ってたよく見たらちっさなオールドファッションじゃないか ...
posted on 2020.10.5

わがまま

1 わがままを許してくれた夜のこと永遠にして胸に沈める 2 きみの目のなかの私はなぜかしらいつも寂しい顔をしている 3 トンネルを抜けてはじめて助手席のきみの涙の意味がわかった 4 秋風は出せずじまい...
posted on 2020.9.26

星くず

1 (さよならを忘れたみたい)奇遇だね僕もどこかに落としたみたい 2 曇天を裂いたひかりをこめかみにあてて神さまごっこする午後 3 いつの日か同じ家路につけたなら今日の痛みも記念としよう 4 コーヒー...
posted on 2020.9.23

唐揚げ

1 花ひらくそのモーションは容赦なくあたしを奪う 誰か助けて 2 優しさが崩れる瞬間(とき)に口走る「ごめんなさい」は脅迫として 3 朽ちた枝さえ必要とする虫がいる 生きるばかりのあたしよりもだ 4 ...
posted on 2020.9.20

蝶々

1 蝶々がひらりひらりと好き・きらい 占うためにむしりむしりと 2 命とは思えないほど美しく命とは思えないほどに儚い飛翔 3 翅があればどこでも行ける気がしてた虫かご埋める元いのちたち 4 薔薇さえも...
posted on 2020.9.17

猫背

1 まばたきを忘れてました目の前できみがアイスのふたを舐めてて 2 線路沿いすすきが群れて揺れておりそろそろ壊れていいと気づく 3 ななめったパンタグラフが通過したあとに居残るあの日のふたり 4 坂道...
posted on 2020.9.14

予報

1 今日はまだ一人でいたい気分なの豪雨予報はいつも外れる 2 予報には誰かが降ると書いてありたぶん私のことなんだろう 3 低気圧ばかりが胸に去来してしととまぶたを濡らしてばかり 4 涙よりしょっぱいも...
posted on 2020.9.13

1 さなぎから孵れなかった者だけが曇天の日に笑ってもいい 2 黄信号でアクセルを踏むきみだからひとのむごさをよく知っている 3 助手席で雨の予報に気がついて横顔見るともう降っていた 4 写真館にて留め...
posted on 2020.9.12

新宿

1 世紀末みたい金曜日の夜は(なかったことにできたならいい) 2 新宿にシンジュが隠れていることにもう意味がない すべてきらめき 3 西口のネオンサインの暗いとこ そういうふうに生きていけたら 4 本...
posted on 2020.9.10

粉々

1 手のひらに星を閉じこめ大丈夫いつかいつかと言い訳をする 2 風船が割れてしまったと泣く子のサンダルの下にバラバラの蝶 3 すすきの穂だらんと揺れて手まねきと認識をするぼくの瞳孔 4 すずなりのぶど...
posted on 2020.9.8

1 骨だけの傘を広げ歩くきみのとなりでちゃんと泣いてる私 2 悪人(とされる)ひとが捕まってそれでも誰も救われぬ街 3 唇がそういう場所と知った日の麦茶の苦さを忘れられない 4 扇風機は居場所をなくし...
posted on 2020.9.4

theザ座

1 今はただ瞳を閉じていたいんだ 流星群は夜空の自傷 2 夜空にも居場所がないので寂しさをきみの隣に置いておきます 3 光から逃れ逃れて部屋の隅 水槽の中で笑う夜光虫 4 振ってからコーラを開ける冒険...
posted on 2020.8.30

自由

1 水槽がひとつ置かれた部屋にある「自由」を喧伝するポスター 2 夏末期ああ自由へと発つために屋上の鍵を早くください 3 つけっぱなしのテレビとスマホを消せたら自分の停止ボタンも押せる 4 酷似したく...
posted on 2020.8.28

包帯

1 夏が逝く ただそれだけを理由とし左手首の傷がふえてく 2 パスワード管理アプリのパスワードを忘れた 今日のお風呂はぬるい 3 もしきみが湯舟の底に沈んでも地球は回る 思い出として 4 美しいとはた...
posted on 2020.8.27

東京

1 ずぶ濡れになった私をからかってもらうつもりで傘を忘れた 2 秒針に月明かり降る秋が来る 私も好きにしていいかしら 3 駅前のおにくやさんのコロッケが今も恋しい東京暮らし 4 「寂しいね」寂しくない...
posted on 2020.8.25

晩夏

1 正座してOasisを聴くひともいる 多様性って大事なんだな 2 ペンたてにネギ立てるのと泣き歌をほんとに泣いて歌うのやめて 3 「ベランダに蝉が突っ込みママが踏みました」絵日記でバレる凶行 4 光...
posted on 2020.8.22

そら

1 一歩ずつ進んでいけばそれでよい誰もが空に裁かれている 2 足もとに蝉が転がる 雷鳴と明滅するあなたの横顔 3 雨ののちまた雨が降ることを知り炎天下さえ信じていない 4 真っ白なシャツにぽつんとつい...
posted on 2020.8.20

友だち

1 「私たち友だちだよね」確認をする時点で甚だ疑問 2 【友だちは多いほうがいい】学校で一番初めに教わる嘘 3 思春期に負った傷は絶縁体 六弦を弾く指が汗ばむ 4 トレンドやゴシップ記事より夕暮れに吹...
posted on 2020.8.20

夏祭り

1 待ち合わせ浴衣姿のきみ探し高鳴る僕の鼓動とスマホ 2 ピンク色のひよこの可愛げにかしげる首の脆さは尊さ 3 うす紙に掬われた金魚ぱくぱくと呼吸と復讐を希求している 4 祭ばやしのせいで逃げてくヨー...
posted on 2020.8.9

中央線

1 操車場にはオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる 2 終点に着いたところでこの僕に行き場がないことに変わりはない 3 各駅に止まる人生でよかった あの軒先には風鈴がある 4 蝉の声かき消して...
posted on 2020.7.22

カナ

1 バタフライピーのピーは伏せ字という嘘を信じている夏休み 2 ブルーハワイ食べ終えたあと正体をべろんと見せて火星に還る 3 プレミアムフライデーって覚えてる? 馬鹿にしないで歴史は得意 4 シャボン...
posted on 2020.7.18

魔物

1 溶けかけの氷に棲んでいた魔物 誰も知らない夏の夕暮れ 2 熱発しようやくあえる人がいる 彼岸へ渡ったゆきちゃんという 3 コーヒーはブラックで職場はホワイトで見上げた空は曖昧なグレー 4 かたつむ...
posted on 2020.7.13

視野

1 Twitterアプリを消してトレンドを知らない午後に心地よい風 2 伸びすぎた前髪はでも切らないでフィルター越しがちょうど良い視野 3 第六次世界大戦の後くらい 大人がちゃんと謝れるのは 4 停車...
posted on 2020.7.10

中指

1 教科書を有害図書に指定せよ量産される「僕悪くない」 2 芽を摘んではみ出た枝葉を切り落としその仕上がりを「優良」とする 3 笑われぬために必死に笑っては自慰の途中で泣き出す娘 4 医師免許弁護士資...
posted on 2020.6.23

都会

1 雨やどりさせてくださいその胸は私のための空間でしょう 2 きいたことない曲ばかり再生し昭和生まれ!と誹りを受ける 3 野良犬を見なくなったねみんなよくいうことをきくいい子たちだね 4 Uの字のへち...
posted on 2020.6.14

未来

1 生まれ変わりがもしあるのなら九十九里浜の砂の一粒がいい 2 濡れそぼる後ろ姿を発見し声張り上げる「新しい顔よ」 3 永遠はその辺にある(まさか、え、まさか)そのまさかです 4 限界を越えて見せろと...
posted on 2020.6.10

デート

1 ためいきのその先にあるほんとうを知るために今日ペディキュアをぬる 2 新しいスカートにキャミ合わせたら気づいてくれるなどファンタジー 3 耳たぶが厚いんだねと触れられて反則技を見逃すピアス 4 は...
posted on 2020.6.9

カナ

1 うまそうにマック頬張る顔を見てどこに惚れたか検索をする 2 今買うと百万円のこのツボがなんと三日で壊れて消える 3 言い訳を考えている顔をしていること割とバレてますけど 4 分度器を売ってるコンビ...
posted on 2020.6.7

1 矛盾しているってきみは泣くけれど色恋沙汰に論理は不要 2 うらおもてが許されるのは人生が野球にとても似ているからさ 3 リビングでムーンウォークの練習をしているきみ、たぶん捕まる 4 この部屋も宇...
posted on 2020.6.5

恋人

1 指と指チョコレート越しにあわせて買ったばかりのシーツに沈む 2 耳たぶに触れるときまだためらいがあるからきみをまた好きになる 3 屈服はきみにだけする もし明日世界が終わると脅されたって 4 きみ...
posted on 2020.6.1

1 真っ黒な雲を呼んだのきみですか 高確率で僕は打たれる  2 紫陽花をひとつ手折って差し出せどそれは死体と言い捨てるきみ  3 鉛筆をナイフで削る音がするごめんなさいを言いそびれ...
posted on 2020.5.29

1 あなたから借りた詩集を開けずにうずくまってる金曜の午後 2 蝶々の不規則な軌道を追ううちやがてあなたにぶつかる視線 3 陽光のあたる窓辺でふたりして黙って揺れる雷を待つ 4 「深呼吸したほうがいい...
posted on 2020.5.28

家電

1 扇風機に「あー」と向きあうきみをそろそろ火星人が迎えにくる 2 ペアリングできない機器ももしかして孤独なんかを知るのだろうか 3 前髪の分け目を変えた朝なのにきみは生きるのが下手なままか 4 花柄...
posted on 2020.5.23

喫茶店

1 汗をかくグラスに遺るきみのあと たった二文字が言えなかった 2 頬杖をついて見つめる先にいる大きな蝿にさえ嫉妬する 3 本当は左利きだと知ってたらきみのひだりを支配したのに 4 曇天が晴れ空に化け...
posted on 2020.5.22

部屋

1 音もなく暮れる小部屋の片隅で誰かの悲鳴に耳を澄ます 2 わからないことはスマホで調べようたとえばきみの好きな人とか 3 指先で燕の飛影おいかけてふちに当たって寂しくなって 4 どこかしらから聞こえ...
posted on 2020.5.21

1 「飛べるはず」から「はず」だけが剥がれ落ち中央線の線路見つめる 2 他人事として過ぎてゆくカタコトン線路の温度に気づかずコトン 3 ふたりして夜に食べられそれからは街灯の蛾にさえ怯えて踊る 4 も...
posted on 2020.5.19

色彩

1 太陽を赤色で描く子どもらの瞳に映るはじめての嘘 2 「本当に削除しますか?」の画面に選択肢が「はい」と「Yes」しかない 3 風を受けはためくTシャツの裾っこを触ってもいい季節ですよね 4 不安か...
posted on 2020.5.17

きみ

1 頬杖をついて読書をしてるけどさっきのことは内緒なのかな 2 それ以上優しくしたら許さない本気で私を壊しにきてよ 3 わからないことほど面白いけれどきみを超える謎なんてない 4 よく熟れたいちごをひ...
posted on 2020.5.16

1 黒い猫として生まれて疎まれてそれでも雨に打たれる権利 2 街じゅうに傘の花咲く 正しさはどこにもないと数人気づく 3 銅像の濡れそぼっても堂々ともろてを伸ばす先の暁光 4 夜が明けてまだしとしとと...
posted on 2020.5.15

1 ライオンもウサギもヒトもみんなして心臓ひとつ風にまかせて 2 ラジオから聞こえたきみのSOS ごめんradikoじゃ一分遅れ 3 扇風機ひとりぐるぐると回って虚しいところが私みたい 4 飛べるはず...
posted on 2020.5.13

1 キラキラときれいごとほどよく光る死んだ魚のうろこみたいに 2 新鮮なうちに早めに召し上がれうらみつらみもねたみもすべて 3 痛覚がなくてよかったという人が舌鼓を打つあなたの残滓 4 泳がせていた筈...
posted on 2020.5.12

ふたり

1 溶けてゆくバニラアイスを目で追ってなんだかんだで気持ちに気づく 2 包丁を握るその手がもし私のためにあるなら怪我はしないで 3 きみの目に映るわたしはかもめの目をしてきみのことだけ見ている 4 帰...
posted on 2020.5.10

ピンク

1 明け方にピンク・フロイド聴くきみを迷惑なんて思わない 好き 2 影踏みで勝ったことない紅組も白組もみな混ざりあってた 3 旅に出たモモイロペリカン捕まり居場所はここじゃないと泣いてた 4 好きな色...
posted on 2020.5.8

1 他人事としてサイレンの声を聞くうちのスープはあったかいなあ 2 質問がないならこれで終わります(終わらせるのは何もかもです) 3 まぼろしの埋蔵金を見つけたらテレビクルーが来てくれるかな 4 闇堕...
posted on 2020.5.7

1 雷鳴を受けて微笑むきみがまた万華鏡と手すさびをする夜 2 眠りより優しいものがあるとして信じないのは私の自由 3 また消して書いては消してまた書いて結局捨てたきみへの懺悔 4 みじん切りするとき添...
posted on 2020.5.5

ダンス

1 目くじらはどこにいるのかと問う子は大きな海しか知らないんだな 2 消したって無かったことにはできない消しゴムかすがすべて知ってる 3 へちまって役に立つからこのへちま!は確か褒め言葉だよ 4 日陰...
posted on 2020.4.30

1 傷つけるための強さは弱さだと教えてくれたきみも血まみれ 2 許せないことは大抵許さないことと気づけば薫風の吹く 3 葉桜が映える青空の下には忘れ去られたミサンガのくず 4 詳しくはWEBで続きはC...
posted on 2020.4.26

1 モーニングコールで起きないきみのため時計仕掛けのタライを吊るす 2 夢のなかで誰となにしていたのかと8年経っても嫉妬している 3 目覚ましににナンバーガールかけるきみの朝の不機嫌の理由はそれ 4 ...
posted on 2020.4.22

1 誰一人として噛み合うことのない歯車として朽ちてゆくのか 2 耳の中に海があったらひねもすに波音とだけお喋りできる 3 神さまはどこへいったか僕だけが知っていること秘密にしてね 4 疑心暗鬼を討ち倒...
posted on 2020.4.19

1 懐メロを思い出として聴くきみの隣は歴史の勉強になる 2 背くらべて爪先立ちしても足りないその差が気持ちの距離だったなら 3 はんぶんこと呼べたならよかったな真っ二つにされ哀れなケーキ 4 真剣にタ...
posted on 2020.4.18

宇宙

1 UFOを見たんだなんていうけれど土産がもなかなんてあんまり 2 金星が逆回転をしはじめた そんなことより外は土砂降り 3 もういない星の光が目に届く 隣に立つきみの袖を引っぱる 4 水たまり 月が...
posted on 2020.4.15

1 もしもまた恋に落ちたら一番にハシゴ担いで来てくれますか 2 抜け殻を集めてまわる趣味のひと午後5時ごろのニュースになってた 3 眠らない眠りたくない眠れない いずれにしてもあなたのせいだ 4 水蒸...
posted on 2020.4.14

足し算

一 三つ編みを解いた後のうねうねで女神の気分 きみをさきたい 二 ライバルにオールドファッションをとられて不機嫌なのも了解しました 三 僕は雨降りの日にだけ現れて君の背中を潤すかもめ 四 難しい言葉を...
posted on 2020.4.9

映画

1 ここまではフィクションですがここからをフィクションにするかはあなた次第 2 本当に白馬で来られたら困る甲州街道が渋滞するから 3 めでたしのその後が知りたくてパンフの裏表紙を陽光に透かす 4 シジ...
posted on 2020.4.8

辞書

1 「雨が降る」と引くと「苦悩する」ことと同じと載ってる辞書がほしい 2 宇宙とはただの奇跡で偶然でそのくせ等しく必然らしい 3 真っ白なパレットに広げた白色の絵具の行方を知りたくて切る 4 なんだっ...
posted on 2020.4.2

卯月

1 四月馬鹿五月凡才六月に本気出すからそこで待ってろ 2 天井の蛍光灯の明滅を数えて過ぎる青春もある 3 「ピカピカの一年生」がなぜマイナーコードなのかがさっきわかった 4 友達を百人作れというのなら...
posted on 2020.3.25

言い訳

1 目的地まであと三歩届かずに三歩ごまかし過ごす生きかた 2 マジシャンの本気の恋は種明かしできないゆえにひどく不評だ 3 夜が天から階段を降りてきて夕焼け抱いたのが動機です 4 行先のわからないバス...
posted on 2020.3.19

過去形

1 許可もなく生きてたカエル 許可を取り理科の時間に解剖をする 2 優・良・可じゃなく不可の奥にあるほんとのことを書いてください 3 物故者の欄に確かに載っている私の名前が10ptで 4 涙まで織り込...
posted on 2020.3.7

卒業式

1 書くことを探して結局「これからもよろしくね」って嘘を残した 2 黒板の右下に名が載るたびに笑われたからもう笑おうか 3 教室の窓ガラス一枚ですら割れずに過ぎる正しい青春 4 嘘をつき立ち回りよく空...
posted on 2020.3.3

ペンギンサラダ

1 不機嫌なきみの向かいで風水のせいにしてみるケンカの理由 2 お湯足せばまだ味が出るのに席を立つような人とは生きてゆけない 3 よく食べてよく寝て笑いお薬を飲んでいるけど苦しい 許せ 4 血を吐いた...
posted on 2020.3.1

弥生

1 おさなごの駄々こねる声なつかしくあの子も私に溶けるひかり 2 青春がうまく弾けないアルペジオだったと気づく視聴覚室 3 正答が正当化するプロセスのよこで首吊りしていたあなた 4 窓の外に顔つき出し...
posted on 2020.2.4

きみ

1 寝坊助のきみのほっぺをつねるとき我は稀代の悪者となる 2 もしきみが病める朝にはアラームを止めて私もそっと閉ざそう 3 ワイシャツの襟を直してあげるとき きみは黙ってペンギンになる 4 三日月を美...
posted on 2020.1.31

1 愛がもし海によく似たものならばなるべく広く深くありたい 2 使い捨てカイロに礼を言ってから捨てるあなたのあたたかいクセ 3 錆び付いて誰も乗らないブランコを揺らすみたいな愛の告白 4 秘密などなに...
posted on 2020.1.31

ぬるい

1 どうしてもあなたのことが許せない なぜ目薬にわさびを混ぜた 2 入口が出口で入口が出口 人は自覚の足りない迷子 3 生ハムが生きたハムだと思ってたあの頃皿はまだ白かった 4 脳内に住むおっさんの口...
posted on 2020.1.19

1 言い訳を並べるだけの「すみません」手にかけたくはなかったけれど 2 鉛筆をナイフで削る指先はおそらく誰も傷をつけない 3 レシピには載らないものを手に入れて料理サイトでエラーになった 4 幼い日ご...
posted on 2020.1.18

1 きみはまた私がすきだなどという そんなことより月がきれいだ 2 ピアノよりきれいな声で泣けるなら今すぐここで泣かせてあげる 3 春を待つきみのとなりで雪を知る たぶん私の早とちりかな 4 整った食...
posted on 2020.1.9

ひみつ

1 君の横空いているなら1名で今すぐ予約させてください 2 言い訳を探してるうち春が来て夏去り秋に枯れ果てるひと 3 折る指も足りなくなって心臓を差し出しました きみに逢いたい 4 髪の毛も爪も裸もき...
posted on 2020.1.5

願いごと

1 首を吊るための道具と知っていてあなたに贈る手編みのマフラー 2 飴玉を転がす舌先を眺める 赤色3号はたぶん私 3 手を繋ぎおんなじ月を見上げても一つになれない 寒さのせいだ 4 道端に落ち葉に隠れ...
posted on 2019.11.8

挨拶

死にたさは生きたさですと教科書に載っていたから絶対に嘘 階段が天国にまで続いててああよかったなって一歩踏み出す 目の前を通過列車が過ぎてってあたしのこころだけ轢いてった 帰り道赤信号だけを選んで歩いた...
posted on 2019.11.7

優しさ

ふりこって誰がどうあれあるがままふれているから羨ましいな 心臓の奥の奥より奥のほう 君が粗末に捨てたまごころ 優しさは流行らないから味のないガムを選んで渋谷を歩く ふたりして爪を噛むからふたりしてひと...
posted on 2019.10.1

放置

断言が断罪になるというのなら早く私を馬鹿と貶して この駅に快速列車が止まらないのも寂しさも私のせいだ 鈴虫に唆されて僕はいま誰も知らないソリストになる メロディを重ねるたびに嘘がほらバレていくから早く...
posted on 2019.9.26

悲観

こめかみがなんか痛むと思ったら背後で君が微笑んでいた  低気圧のせいにしようかなにもかも しばらく歩き出せそうにない  黒猫が忌み嫌われているように私が居ると薔薇も枯れます&nbs...
posted on 2019.9.16

妖精

番号の中に私の誕生日が隠れてるからスマホごと好き  「嫌いだ」と口に出せれば大丈夫 その素直さで生きのびてゆけ  石ころは磨けば光るわけじゃない 輝きなんてただの傷あと ...
posted on 2019.9.11

解像度低めの心携えて行けるところまで行くのが恋 スコールのあとあなたが降ってきて少しもできない共感が恋  恋のせい ヘッドフォンから洩れ聞こえてきた君の声を遺書にした  手のひらに...
posted on 2019.9.7

ひとり

言い訳を考えてたら朝が来てああこれだなと太陽を蹴る  光あるところの影が私です 必要悪と呼んでください  パソコンで「じしょう」と打つと「自らを笑う」と化ける我のスペック ...
posted on 2019.9.4

我もまた少女だったというひとの思い出に載る灰のアルバム 悲しいと爪を噛む癖を叱ってくれたあなたの影を踏んでた その人が絶対であり神であり愚者であったと気づくのが恋 大切を大切にして大切に抱えていたらグ...
posted on 2019.8.30

クレヨン

偶然だ 血が赤いのもぬるいのもなかなか止まることがないのも ブラウスのピンクのしみは確実に君に恋した盛夏の残滓 オレンジを食べた! 朝から君のこと早く壊してみたいと願う たまさかに君の生存を知ったよ ...
posted on 2019.8.28

カット

わたしもう自分からログアウトして言葉の嘘を撃ち抜きたいの  笑われてちょうどよかった過日の碑 解すことのない世界を嗅いだ  シンメトリだけが正義の造形か 愛の急所は歪んでいるぞ&n...
posted on 2019.8.25

晩夏

ひまわりが怖いとないたセミたちの悲鳴を耳にぶらさげる午後 結局は影になるのだ 星求め自分探しの旅に出たひと 苦しさを分けてあげます あなただけ笑ってるのはおかしなことだ 処世術 啓発本に生きるコツ ぜ...
posted on 2019.8.17

占い

占いを信じるわりに私には現実的なことを言うのね 水瓶座と射手座の相性がいいことは僕たちがもう証明してる 唇をくっつけたそれは事実上キスと判定していいですか この胸にドラムンベースが棲みついた 重たく深...
posted on 2019.8.17

ジュブナイル

本当にごめんなさいという君の心の声をよく確かめて さよならは無駄がないから悲しくてWordの余白を拡げてみた かくれんぼ 鬼ごっこ ままごと全部黒で潰した理由も知らず 手と手と手 真っ逆さまに落ちてゆ...
posted on 2019.8.17

煌めきの赤

満たされるつもりなどない 愛情に底があるとは思えないから 私たち重ねた日々が鮮やかに広がってゆく影が愛しい ゆく季節に柔らかなサヨナラを真白いベッドの上で告げるの 銀河系の隅っこでまだ泣いてるの 胸を...
posted on 2019.8.17

誕生日

倦怠期をケンタッキーと間違えて今日も我が家は平和なのです おめでとうが今更照れて言えなくて口を尖らせつぶやく「老けた?」 あなたからもらったピアスをしています 早く髪に触れそれに気づいて サプライズが...
posted on 2019.8.17

ヒストリー

好きな色も知らない人にプレゼント 有馬記念より緊張する 本当にいいんですねと念押され急にためらう愛の告白 流行らないタバコなんかでごまかして微笑めるのは今のうちです 心にはしっかり棲みついているのに歩...
posted on 2019.8.17

ココア

窓際で眠るあなたに降り注ぐ柔い西陽に僕はなりたい 思い出がこれ以上美化されぬよう右のこめかみを強く押した 美しい季節になれと微笑んで秋を屠った君は変態 私よりゲームに夢中な君のこと攻略をするゲームに夢...
posted on 2019.8.17

正しさ

理解してなんて言わない私たち輪廻の外で幸せだから 滲んでる境界線を引き直しもう一度だけ正気を保つ 終焉に向かう世界を泣き喚く貴方のせいにしてしまえたら 最後尾からの方が早い 閉じてゆく日を数えるならば...
posted on 2019.8.17

けもの

満たすことは乱すことと言い淀み強くなれない言い訳をする ボサノバかボッサノヴァかを問うよりもそのボサボサの髪をなんとか あの人がいなければ良いこの胸が泣くことがもうなくなれば良い 繋ぎ目がじんじん痛む...
posted on 2019.8.17

晩冬

芽吹いたら底を知らない恋心 晩冬の空に毅然とあれ 「ありがとう」と「愛してる」の言の葉はくすぐったさがとても似ている 灰色の冬を脱ぎ捨て街に出よ 小さな春を捕まえにゆけ 届かないことは同時に尊さを伝え...
posted on 2019.8.17

不思議

突然に私の頬に雨が降る 過日に捨てた夢の破片だ セイハロー、天国に向けセイハロー、そろそろ着いた頃だと思う 優しさはこころの果実と心得て熟れたらそっと左手でもぐ 北風に怯えた日々もあったけどジャズのリ...
posted on 2019.8.17

卒業

へたくそな口笛だって構わない 今はひたすら声がききたい 桜色の袴が似合う人でした ほんとに淡く散ってしまった 嫌いとは愛の同義語 三月の空になびかぬ切りすぎた髪 アイシャドウなんてつけない 嘘のない瞳...
posted on 2019.8.17

アドレッセンス

頭からトマトスープに突っ込んで溶けたあなたの味が好みよ あやとりの得意な人は手をあげて そこに神経を通しますね 危険だと早く逃げてと叫ぶ君のシルエットがもう笑ってる なにもかも芽吹き始めたせいにして思...
posted on 2019.8.17

やわはだ

さよならを置き去りにした二人して永遠求めツツジを啜る 幼な子の黒目に問うてみるがいい ちゃんねるを見る背中はどうか やわ肌についた傷ごとよろしくね あなたの爪が弾く思い出 省みることのできない阿呆烏 ...
posted on 2019.8.17

偉い人なんていないよ 偉そうな人なら街に溢れてるけど 黒猫で親指ぎゅっと隠したらぽつぽつ漏れる死にたい理由 終電を逃した猫の迷い子は夜が明けるまで罪を匿う シグナルが点灯しても気づかずに踊り続ける人の...
posted on 2019.8.17

初夏

ドローンは孤独を壊すためにあるという説だがやはりオバケか ヒーローになれる方法があるなら三回払いで買わせてくれ 君だけがわかってくれたほろ苦さ 焦げたキャラメル食んで微笑む 水たまり飛び越え進む初夏の...
posted on 2019.8.17

天使

きみ、天使に間違えられることはない? 僕の視力が落ちたのかしら いくら手を伸ばしたとしても届かない君ならいっそ君ならいっそ 人びとの関心を集めた途端 立ち枯れていく淡いまぼろし あれこれは全部むかしの...
posted on 2019.8.17

ピアノ

調律が必要みたい 少しだけ生きづらいのはたぶんそのせい 無理をしてキスをねだった日もあった 笑い話になりますように 形から入るタイプと連弾で触れた指から紡ぐナラティブ 口下手で不器用なのもちゃんと好き...
posted on 2019.8.17

梅雨

情報のソースを出せと責められてあなたを好きな理由が滲む 傘の花咲く街を行くふたりきり こうも雨では影も伸ばせぬ 特急の窓に打つ雨の滴がそれでいいよと囁いている 雨の夜に巣食った油断をこれから恋と呼ぼう...
posted on 2019.8.17

中央線

街中のネオンサインを消し去って残る文字こそ私の名前 泣きながら生まれてきたしこの頃は笑ってみても咎められない 通過駅に懐かしい名を見つけて頭の中で絶叫をする 繋ぐ手に嘘偽りはありません 冷や汗動悸 い...
posted on 2019.8.17

優しさ

優しさは真綿となってその首に巻きつくために存在してる 忘却はなだらかな線を描いてやがてあなたの鎖骨に刺さる 愛してる愛してたまだ愛してる 振り子の等時性を疑う 曇天でよかった私もう少し誰も呪わず生きて...
posted on 2019.8.17

無添加

この窓は君に続いているだろう 何があっても開けないだけで 三日月を飾ってみるとモミュの木は優しいほうへ輝きを増す 限られた命と知ってなお犯す過ちまでももはや愛しい 駅舎から海が見えると君は言う その水...
posted on 2019.8.17

抵抗

支配者の寝顔に油性マジックで綺麗な花を描いてあげたい 怒るべきときがあるから今はただは葦の隣でゆらり揺れてる ステータスなんかできみを見ていない 学歴 お金 ぜんぶモノクロ 誰がどう言ってもがいいさこ...
posted on 2019.8.17

鈴なりの柿をもぐ手の白い様 冬よ二人に早く来てくれ 読書する君の視線がたどる文字 それすら嫉妬する理由だよ 肺呼吸すら苦しいと頑なな君をこのまま抱いてもいいか 赤ペンを握るその手の体温を奪うことなど考...
posted on 2019.8.17

宝石

ターコイズなんだね君の両の目はどうりでひどく傷つきやすい 信号がエメラルド色に灯るとき人々の歩は二拍子になる どこかにはダイヤのような輝きがこんな僕にもあるのだろうか アメジストでよかった君の誕生石 ...
posted on 2019.8.17

耳たぶに穿たれている穴二つ誤魔化すように石がきらめく 路傍には鍵が落ちてて行き先をなくしたバスを猫が手招く 紅茶とはお湯がなければ枯葉だと憂うあなたのため息のクセ 飛ばされる駅の近くに住んでます あな...
posted on 2019.8.17

そわそわ

とりあえずキスでもしとく? 明日まだ呼吸してるか自信がないし ドーナツの穴から君を覗いたら虚しさの意味を思い知った 人間の仕組みなんです寂しいと爪を噛むのも旗を振るのも 丁寧語なんてやめてよ言い訳が上...
posted on 2019.8.17

冬空

底冷えの街に暮らして明日もまた同じ夕陽を待ちわびている 街はもうクリスマスなどは置き去りそんなものさと笑うみなさん から回る歯車抱いて星空を見上げ損ねる日々を重ねる ほらここが孤独の巣だと指をさす左の...
posted on 2019.8.17

灰色

これ以上嘘はつけない幸せになったところでそれ嘘だから テーブルにとまった羽虫を潰してほんの小さな罪に溺れる もう誰も思い出さない忌念日が私の手帳にシミをつけてる 笑うしかない僕らには嘆く暇なんてないか...
posted on 2019.8.17

スイーツ

しゃぼん玉ぱちんと割れて独りきり冷めた紅茶の行く末を知る カスタードプリンに宿る悪意とは甘い時点で君と等しい マカロンの作り方より単純な私のこころ早くいなして あかんべえザラメのような恋をした 甘った...
posted on 2019.8.17

ピアス

カルーセル止まらぬうちに咳隠す くるくるくるって楽しいねって 難しい顔をして聴くJ-POP あたしひとりで死んでいくんだ 手を振って笑ってないで今すぐにロックスターとして突っ込んで 受話器から聞こえる...
posted on 2019.8.17

休日

mixiにつけてる君のぼやきなど今どき誰が読むというのだ 真剣な顔でスマホを操って今日この頃の愚痴を彩る ぽつぽつと消えてゆく泡を含んで甘ったるいと文句をつける ふたりして不機嫌な日は毛布から出ずにキ...
posted on 2019.8.17

生真面目は褒め言葉ではありません そろそろ上着を脱いだならどう 目に映るすべて愛してみたかった かつてあなたがそうしたように 嘘をつくとき両の目がよるという癖に気づいた私はえらい 目薬を五階からさすチ...
posted on 2019.8.17

永遠という幻は芳しく多くの人を惑わす魔物 ひとはひと わたしはわたし それだけのことを解すのにきのこが生えた 横顔を射抜く真冬の夕焼けがずっとあなたを責め続けてる もう今日は帰らないでね いつもよりた...
posted on 2019.8.17

青春

輝きを強制される僕たちは合言葉まで上書きされる 苦しいと笑ってしまう癖なのに礼賛されて真似までされて 風を受け微笑んだこと馬鹿にされいつの間にやら馬鹿にする側 真剣な悩みを友に打ち明けた 友であったと...
posted on 2019.8.17

赤血球

醜さの喩えに使うためだけに私に合鍵なんてくれたの 私たち一緒の部屋で呼吸することさえ今や疑っている なにもかもどうでもいいと言うのならその指輪から外してみてよ 骨として去っていく者 「思い出」と「平等...
posted on 2019.8.17

凝視

だれひとり僕を知らない街にいて「こどく」の意味を僕は知らない 輝けと命令するな僕はまだ正しい呼吸もわからないのに 夢を見て初めて気づくこともある 今日も明日も燃えるゴミの日 カラカラと軋み続ける僕の骨...
posted on 2019.8.17

動機

夢を見て夢が破れて夢のなか夢にまでみた夢の世界よ 夏空を誰も見上げず笑ってる ノートの隅が日のあたる場所 あの夜を小瓶に詰めて朝が来ることを嫌がるまぶたに塗った 鐘の音が響いていると君は泣く カーテン...
posted on 2019.8.17

バス停

ゆりかごは遠くにあって手を伸ばす理由もなくて夏が去ってく セミたちの声にまぎれてから笑う そんなあなたがやっぱり好きだ 木陰から顔を突き出すバス停よ 優しい街に連れてってくれ 光から逃れるために明日な...
posted on 2019.8.16

花火

新しいファミマが街に増えるたび居場所をひとつなくすのは誰 容疑者と呼ばれた夏も青空で入道雲が威張っていたな 斎場の灯りがついた夜にだけ許しあうこと許してほしい ビブラートできない鳥は殺してもいいんだよ...
posted on 2019.8.16

仮説

間の抜けた顔で剥き出しの惰性をかじる君のまつげに浮く汗 「星座って孤独を繋げてできてるの」君の仮説を葬り去ろう 舌の根も乾かぬうちに発車ベルが聞こえたから旅に出ましょう シャボン玉は壊れるためにあると...
posted on 2019.3.17

春待ち

嘘つきは美しい花になるはず四月ごろには桜が咲くし 萌芽とはつまり悪意の目覚めだという仮説なら否定しておく 缶コーヒー片手に君を待っていた路地の氷がみたび張るまで クリスマスソングが世界を急かすから自転...
posted on 2018.11.15

わがまま

ドキドキはもうしないかもしれないが安定感は誰にも負けない 決断をするときいつも背を押して風さえ吹かしてくれるから好き 口下手もここまでくれば芸術で冬が来るのは貴方のせいだ 枯れ葉舞う日に貴方がそばにい...
posted on 2018.11.15

(非)日常

幼な子の見上げる空を飛ぶ蝿の祝福の辞など誰も知らない 瞳から落つる涙を受け止めるためだけに傘を持ってきました 生きている間限定の感覚に溺れぬわけが見つからないわ 左手の薬指には約束が血管を殺し巻きつい...
posted on 2018.11.15

萌芽

ともし火の揺れるほうへと進んだらあなたが飾ってある植物園 たどり着く場所に双葉が生えていて間違いないと確信をする 手のひらの上で踊った枯葉ならつい先だって地球になった あなたたちいつか地獄へ堕ちるわよ...
posted on 2018.11.15

boo!

似たような顔をしているあなたがた 個性という字を書いてみなさい 笑うより笑われるほうがよほどいいことに気づけぬ愚かなbabe ヴォージョレの解禁を待つ者たちがすでに倉庫にしまったハロウィン ジャケット...
posted on 2018.11.15

柔らかい熱持つ肌に触れるのが罪になること伝えておくね 好きな色の花を探しているけれど手に入ったらば枯らしてしまう 憂鬱はお湯をかけると白くなる 冬の吐息がそうあるように 身勝手をちゃんと叱ってほしいの...
posted on 2018.11.15

寒い日

雨降りを知らぬあなたのあどけなさ 守り抜けると信じた過日 心ない言葉には耳を貸さないでどうぞ私の歌に浸って 街路樹が見届ける秋 美しさは寒さのことと知っていたのか 青になり誰も渡らぬ交差点 もう歩けな...
posted on 2018.11.15

晩秋の傘

のど飴の優しさを知る晩秋にほんのりと死に近づいてみる 思い出よ 積もれ積もれよ落ち葉より軽いからなお悲しさも増す 嘘つきも人が恋しくなるらしくぬくもりのためまた嘘をつく 雨やどりしていいですか今日きっ...
posted on 2018.11.15

秋の残滓

かけっこは今も苦手だ欲しいものに手が届きそうで届かないから 友達と一緒にされて立つ腹も恋の一部とわきまえなさい 夢なんてもう見れないと泣く君の手を温めることを夢見る アイルビーバックと残して去る人にア...
posted on 2018.11.15

ゆるす

簡単に愚か者は牙を剥くけど君は微笑み全てを許す この先は静かにしてて二番線で特急列車が泣いているから 赦しとは傷を手放しあやすこと 痛覚さえも我が物にして 結ばれる糸の色がなんで血と同じなのか考えてみ...
posted on 2018.11.15

未来

さかさまの夕焼けを見た帰り道 たぶん僕らは無敵だったね 小さな手 握り返したぬくもりを忘れてしまう仕組みが憎い 手放した記憶たちがまた居座って青春のやり直しをさせる 退屈な質問をしてすみません 私のど...
posted on 2018.11.15

ホットココア

繰り返しお伝えします この僕は君の前では嘘がつけない 寂しいと呟くことが寂しいとホットココアに溶けてく言葉 ため息も白くなってく霜月のドアの向こうに君が待ってる いつのまに育った気持ちだったのかわから...
posted on 2018.11.15

贈り物

思い出が美しいなんて決めないで 今から汚すつもりでいるの 最近の流行をよく知らなくて「今どき?」なんて言われ嬉しい 街路樹にコートを掛けてあげたいと言ったあなたにくるまれたいよ 初めての夜がはらりと遠...
posted on 2018.11.14

ほっと

いい加減私の気持ちに気付いて そして隣で天気を当てて 未来ならフリーハンドに描くから軌道に貴方を必ずのせて 暗闇の中にいるからこそ光る君の絶望は宝物だ 目を閉じてひとりっきりのフリしてもまぶたの裏であ...
posted on 2018.11.14

冬のはじまり

寒いより寂しいが勝っているとまだ貴方には伝えられない 強がりは積もれど雪にならなくて遠くで白が手を振っている 背中から羽が生えても安心だ 君が残らず毟ってくれる いま君が隣で風邪をひいていることが実は...
posted on 2018.11.14

吐息

二番目じゃだめなんですと涙声 掴んだ袖に嵐の予感 告白がまるでこれでは告発だ 誰が君の心を踏んだ 時ぐすりが効いてきたから大丈夫 私あなたと眠っていたい ただ一人を信じる勇気が生まれて師走の空も笑って...