今日の短歌 無限キャベツ
1 「従順」は貶し言葉と気がついて飼い犬に名は与えなかった 2 「花束は枯れていくから嬉しいよ」無限キャベツを食みつつきみは 3 実験は成功したとされておりマリネにされたタコと目が合う 4 消えていく傷もあること新月の満…
1 「従順」は貶し言葉と気がついて飼い犬に名は与えなかった 2 「花束は枯れていくから嬉しいよ」無限キャベツを食みつつきみは 3 実験は成功したとされておりマリネにされたタコと目が合う 4 消えていく傷もあること新月の満…
1 近いうち人工知能は失恋や死別を歌うがくしゃみはできまい 2 弾けたらオシマイだから風船を心に喩えるのはやめてくれ 3 食べるときじっと見てくるどうしたのって訊いてもたぶん気にしてなくて 4 昨日の灯がもう懐かしくフレ…
1 人類へ 終わりを識っているのならせめて美学は己で紡げ 2 拍手ってうるさいじゃないみんなして手を叩くのってうるさいじゃない 3 言い当ててしまえば終わる恋だから鳥籠だけは空にしておく 4 好きすぎておかしくなるのすご…
1 会いたいね そうでもないかサブスクでとりま細川たかしを探す 2 メントスとコーラで祝う誕生日あの子にもあったはずの誕生日 3 人間の都合など意に介さずに咲きたいときに桜は咲いた 4 あ、枝毛。あまりいろいろ気にしても…
1 もう散るね とっても嬉しそうなきみ終わりってそう、救いだからさ 2 ピカピカの一年生かおめでとう今が一番輝いてるよ 3 すべりだい滑り落ちてく楽しさを大人になっても忘れていない 4 読まれずにほこりをかぶる美味しんぼ…
1 全自動タマゴ割り機で好きなだけ卵を割って暮らすのが夢 2 チロルチョコ23円。青春がそろそろ歴史の本に載る頃 3 「変ですよ、それ」と言い出せなかったし誤解のほうがたぶん平和だ 4 世の中はいつになったら慣れるんだミ…
1 たぶん犬じゃないかなそうじゃなかったらあの鳴き声は通報案件 2 あの人はいずれ教祖になるだろう履歴書にそう書いてあったし 3 誰か見てきたんだろうか恐竜に水玉描けば修正される 4 定刻にわたし以外の声が沸く 喝采、喝…
1 結局はイオンモールに行くきみとヴィレヴァンがない街に住んでる 2 名言を残そうとしてうわすべる下心ってベンゼンくさい 3 ハトサブレ血走った目で睨んでも好きだから割る美味いから食う 4 「ゲームだよ」殺人犯の声色でぷ…
1 「私より先に死んだらぶっ殺す」せいいっぱいの愛の告白 2 勝たなくていい負けなけりゃそれでいいにこにこしてりゃご飯もうまい 3 コンプラを気にする体ていで笑ってるそんな奴らに救いが要るか 4 似顔絵を吉沢亮りょうに寄…
1 あちこちに劇場がある風が吹く思考停止を演じ続けろ 2 ほんとうを載せてくれない教科書を疑える奴だけ持つ翼 3 ファミレスで配膳ロボに喜ぶ児びびって道を譲るばかりの大人 4 熟れごろのトマトに宛てる包丁の力加減をなぜか…