アリスの栞

あらすじ

「出会った彼の秘密を知って、私は恋に落ちました。あと、脚立からも落ちました。」

何をしたいのかわからないまま青春を過ごす真弓がなんとなく出会った、とあるブックカフェ。

そのマスター、中野はもう一つの顔としてバンドのベーシストをつとめている。そのブックカフェの片隅には、いつも不思議な青年がいるのだ……。

夢って、持たなきゃいけませんか。

青っぽい葛藤から逃げたって、刻々と青春は過ぎていってしまう。そんなことはわかってる。でも、だからって、いつも前を向くのを強要されるって、ちょっとしんどい。

そんな折、真弓が出会ったのは伝説のアコースティックバンド「ワンダーワールドメーカー」の音楽。

「なんとなく」の日々が、「ワンダー」に変わっていく。それは、ただ口を開けて待っているのではなく、「わくわく」を燃料に自分から動くことで始まる。

真弓の青春もまた、ワンダーな時間になりそうだ。

主な登場人物

緑川真弓みどりかわまゆみ(18)
大学デビューのため、ブックカフェ「アリスの栞」でアルバイトを始めた大学一年生

あきら(??)
ブックカフェ「アリスの栞」にいつも居る謎の青年

中野義男なかのよしお(54)
ブックカフェ「アリスの栞」のマスターで、アマチュアアコースティックバンド「bookmarker」のリーダーで、ベーシスト

ニイヤマハルコ(25)
普段は美容師として働いている、「bookmarker」のギタリスト

古谷涼介ふるやりょうすけ(54)
中野の高校時代の同級生で、商店街で自転車店を営む。「bookmarker」ではパーカッションを担当

皆本香織みなもとかおり(18)
真弓が大学で最初に友達になった女子



第一話 落丁

第二話 ナポリタン

第三話 マフィン

第四話 カフェラテ

第五話 素直

第六話 そういうこと

第七話 ポスター

第八話 軽率

第九話 落下

第十話 義務

第十一話 パセリ

第十二話 チラシ

第十三話 存在確率

第十四話 影

第十五話 面影

第十六話 うにーっ

第十七話 秋子と彰

第十八話 smile

第十九話 自爆

第二十話 花火

第二十一話 決意と願い

第二十二話 りゅうこつ座

第二十三話 二番目

最終話 心の栞