今日の短歌 果実酒
1 分けあってはふはふ食べる揚げたてのポテトふたりはもう大丈夫 2 マックでもマクドでもなくマクドナと呼ぶのはたぶんきみくらいだよ 3 海を見に行こうときみはつぶやいてナビを無視してアクセルを踏む 4 満ちてゆく潮に足首…
1 分けあってはふはふ食べる揚げたてのポテトふたりはもう大丈夫 2 マックでもマクドでもなくマクドナと呼ぶのはたぶんきみくらいだよ 3 海を見に行こうときみはつぶやいてナビを無視してアクセルを踏む 4 満ちてゆく潮に足首…
1 優しさがときどき怖いサイレンを無視してきみはスープをすする 2 溶けているものがなにかをよく知らずそれでも全部飲み干しました 3 あったかいスープがいいねケンカしたあとに最初に口にするのは 4 消印に知らない地名を見…
1 白鷺が羽を休める空の下ぽーんと琥珀糖を頬張る 2 らしさってなんなんだろうモミの木に願いを書いた短冊は揺れ 3 正解はつまらないから満点のテスト用紙は折り鶴にする 4 かじかんだ指で画面を滑らせて寂しいよって伝えたか…
1 新宿に向かう列車の沈黙をハイジの歌で破るガラケー 2 届かないメールをじっと読み返す誤字脱字がなくてさみしい 3 野良猫は忖度の対義語として尻尾ふりふり堂々歩く 4 猫の目を主治医に向ける診る者は見られる者と心得てお…
1 しねという二文字すべて「すき」にする魔法ならもう使えるはずだ 2 やっぱりね オカネで愛が買えなくて震えているのマナーモードで 3 青春の答え合わせをするふたり箱に潰されなくてよかった! 4 焼き肉の最後にガムを渡さ…
1 「従順」は貶し言葉と気がついて飼い犬に名は与えなかった 2 「花束は枯れていくから嬉しいよ」無限キャベツを食みつつきみは 3 実験は成功したとされておりマリネにされたタコと目が合う 4 消えていく傷もあること新月の満…
1 近いうち人工知能は失恋や死別を歌うがくしゃみはできまい 2 弾けたらオシマイだから風船を心に喩えるのはやめてくれ 3 食べるときじっと見てくるどうしたのって訊いてもたぶん気にしてなくて 4 昨日の灯がもう懐かしくフレ…
1 人類へ 終わりを識っているのならせめて美学は己で紡げ 2 拍手ってうるさいじゃないみんなして手を叩くのってうるさいじゃない 3 言い当ててしまえば終わる恋だから鳥籠だけは空にしておく 4 好きすぎておかしくなるのすご…
1 会いたいね そうでもないかサブスクでとりま細川たかしを探す 2 メントスとコーラで祝う誕生日あの子にもあったはずの誕生日 3 人間の都合など意に介さずに咲きたいときに桜は咲いた 4 あ、枝毛。あまりいろいろ気にしても…
1 もう散るね とっても嬉しそうなきみ終わりってそう、救いだからさ 2 ピカピカの一年生かおめでとう今が一番輝いてるよ 3 すべりだい滑り落ちてく楽しさを大人になっても忘れていない 4 読まれずにほこりをかぶる美味しんぼ…