2018-03-20 第三章 さようならだけはいわないで拘束された自由を謳歌するもう一人の都市伝説、篠畑礼次郎は、まるで新しい玩具を買ってもらった子どものような気分で、証明写真の葉山をちらっと見て笑う。狂気と一言で片づけるには美しすぎる、彼の両目に灯ったいびつな天啓が舞台の続行を告げている。「面白くなってきましたね……」篠畑の独り言もまた、無機質な空間に流れる冷たい空気に吸い込まれていった。第四章 その手から零れ落ちる羽ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 笹塚 心琴