1
最低と口にするきみ凹むぼく天気の話とわかっていても
2
速報に耳を塞いで笑ってる愚鈍と安穏とは比例する
3
ビー玉を夕陽に透かす憂鬱な表情をして土鳩が過ぎる
4
ビー玉を夕陽に透かす憂鬱もかけがえのないあなたの一部
5
肉まんを買ってきたから許されるそういう決まりをふたり交わした
6
半分こしようかあんまんと肉まんそれからきみの抱く涙も
7
あとはもう唇に花をあてがい風がやむのを待つだけの刻
8
褪せてゆく街の片隅にて祈る消したい過去にこそ光あれ
9
せっかちなきみはオリオン座を探すテールランプが遠くで灯る
10
きみのためだけに雨降る夜があるすべての粒よ優しさであれ