今日の短歌 悲しい予感

1
背中から抱きしめてやるもう秋が去ってしまうと泣いているのか

2
青色のクリームソーダあなたとはわかりあえないぶんだけ甘い

3
昼下がり梨を剥きつつ眺めてる遠い世界の謝罪会見

4
何度でも壊れるきみを何度でも抱きしめてみる日常がある

5
雨の夜は寂しさまでもお揃いで傘をさすときみんなひとりだ

6
泣きそうな空に中指立て歩く交通ルールも破って渋谷

7
開いたら侵入される気がしては閉ざしたままの心にも雨

8
新しい星座をつくるためだけにあらゆる紐が在りますように

9
新宿のネオンサインも雨に濡れときどき消えるから大丈夫

10
顔のない風が吹いてるあなたとは悲しい予感でしか繋がれない