短歌 ただいま

1
踏ん張ったのは私だけじゃなかったプラごみの山に見える美学

2
ただいまを言ってもらえると思った無人の部屋にさす冬の陽光

3
来年の干支がへびだと思うとき今年は辰と思い出してる

4
流星を見ようとドアを開けたけどきみはリビングから動かない

5
「満月はよつばバターのパンケーキ」戯言だから聞き流してよ

6
ただいまを言ってもらえると思った無人の部屋にさす冬の陽光

7
終点の改札口をスキップで過ぎる酔いどれみふぁそらしどみそ

8
あわせない常識・空気・イエスマン・目の焦点ももちろんずらす

9
打ち破れそうになくても爪痕は遺してやるよ十円玉で

10
凪ぐ夜は星が目玉になるせいできみの返事は半音下がる