短歌 ニアリーイコール

1
春一番友達のままでいたいって友達ですらない人から 咽せた

2
美しいから傷つくのだと励まされこころに春の居場所をつくる

3
疑えるニアリーイコール知性って卒業前に認めてみなよ

4
春よ、来いっていうか頼むから来てください、あ、花粉はやめて

5
多様性 言葉の陰で血を流し声を消されるのも自己責任

6
気づいてた? うん、気づいてた。ああ、やっぱ。なんだかんだで距離感だよね

7
七ならべ十人でやるもんじゃないパスばっかりでみんな寝ちゃった

8
闇鍋は光鍋よりまだマシときみは呻くが光鍋って?

9
取れかけのボタンがあれば引きちぎるきっとこのまま暮らしは続く

10
午前二時二十二分に目が覚めてきみの寝息にすら嫉妬する