短歌 ふたり暮らせば

1
とこしえの冬を瞳に抱くきみフォークに憂さをくるくるさせて

2
炊きたての銀シャリ頬張るふたりだし季節外れの寒さも許す

3
日曜の月は私の臆病を責めているのか視界が歪む

4
この街は優しい風がよく遊ぶふたり暮らせば歌も生まれる

5
梅干しが酸っぱいことと幸せが近似値だって気づけて嬉しい

6
飛び散ったかけらを集めあたためるけれど無理矢理接着しない

7
欠けているわけではなくてこの姿かたちのままで笑いたいだけ

8
今更と言わないでくれお揃いの茶碗で食らう飯がいいのだ

9
あの風の終着駅はどこだろう知らないほうがきっと楽しい

10
レトルトは手抜きじゃなくて文明の立派な利器だカレーにしよう