短歌  値札

1
何度でもふたりの日々は色褪せるだから花屋の近くに暮らす

2
意味のないものではなくて人間が意味を解せないだけの糸くず

3
無意味だと無価値とされるそれが罠だれが値札をつけたか 燃やせ

4
湯上がりに風を感じるリビングでソファに沈むよい金曜日

5
きみらしくない笑い声わかってる野球はときに人を狂わす

6
許すのは別にあなたのためじゃないコーラとメントス一緒にどうぞ

7
紙吹雪舞い散る舞台を観ていた後片付けは私の役目

8
しあわせになれないわけはその指を口を手首をよく見てごらん

9
「実写版人生」絶賛上映中このシアターはいつもガラガラ

10
ばかでかい風船だってひと針で弾けるでしょう日常みたく