短歌 それでも、

1
愛しさのあまりおかしくなるなんて正常なことだと思うけど

2
きみの目が夜になるとき雷鳴はわたしの中で それでも、と告ぐ

3
銃口を向ければそれは銃口を向けられていることを意味する

4
弾倉に愛が詰まっていることを気づかれぬよう至近距離から

5
重大な告白の前にどうしてたくあんなんてつまんじゃったの

6
どうせなら原型なんてとどめずに夏の花火と爆ぜろ片恋

7
夕闇が溶かしてしまうきみの過去 痛み 焦燥 わたしとのこと

8
言葉より薬がきみをかたる夜 水がぬるくて笑いたくなる

9
ごめんね、とぽつり息するきみの影だからためらいなく踏んづけた

10
教科書を縦読みしたら た す け て と読める箇所あり蝉も鳴かない