短歌 白
1 雷鳴を受けて微笑むきみがまた万華鏡と手すさびをする夜 2 眠りより優しいものがあるとして信じないのは私の自由 3 また消して書いては消してまた書いて結局捨てたきみへの懺悔 4 みじん切りするとき添える親指の無事を願え…
1 雷鳴を受けて微笑むきみがまた万華鏡と手すさびをする夜 2 眠りより優しいものがあるとして信じないのは私の自由 3 また消して書いては消してまた書いて結局捨てたきみへの懺悔 4 みじん切りするとき添える親指の無事を願え…
1 目くじらはどこにいるのかと問う子は大きな海しか知らないんだな 2 消したって無かったことにはできない消しゴムかすがすべて知ってる 3 へちまって役に立つからこのへちま!は確か褒め言葉だよ 4 日陰には日陰の良さがある…
1 傷つけるための強さは弱さだと教えてくれたきみも血まみれ 2 許せないことは大抵許さないことと気づけば薫風の吹く 3 葉桜が映える青空の下には忘れ去られたミサンガのくず 4 詳しくはWEBで続きはCMのあとでほんとのこ…
怒りの正当化事由よりも 大切なものがあるはずで けれどそれらしい論説に いとも容易く踊らされる 耳障りのいい言葉たちは いつも私を騙すけれども 過ちを過ちと認めるのは とてもしなやかなことと 言い聞かせているけれど 萌ゆ…
1 モーニングコールで起きないきみのため時計仕掛けのタライを吊るす 2 夢のなかで誰となにしていたのかと8年経っても嫉妬している 3 目覚ましににナンバーガールかけるきみの朝の不機嫌の理由はそれ 4 目玉焼きのかたさの好…
1 誰一人として噛み合うことのない歯車として朽ちてゆくのか 2 耳の中に海があったらひねもすに波音とだけお喋りできる 3 神さまはどこへいったか僕だけが知っていること秘密にしてね 4 疑心暗鬼を討ち倒したって嘘をつくまた…
1 懐メロを思い出として聴くきみの隣は歴史の勉強になる 2 背くらべて爪先立ちしても足りないその差が気持ちの距離だったなら 3 はんぶんこと呼べたならよかったな真っ二つにされ哀れなケーキ 4 真剣にタルト・タタンを食むき…
1 UFOを見たんだなんていうけれど土産がもなかなんてあんまり 2 金星が逆回転をしはじめた そんなことより外は土砂降り 3 もういない星の光が目に届く 隣に立つきみの袖を引っぱる 4 水たまり 月が半分だけ映る そうね…
1 もしもまた恋に落ちたら一番にハシゴ担いで来てくれますか 2 抜け殻を集めてまわる趣味のひと午後5時ごろのニュースになってた 3 眠らない眠りたくない眠れない いずれにしてもあなたのせいだ 4 水蒸気みたいに未練が消え…
1 私は昔小さな羽虫で あなたのベッドの裏についてた のたうちまわるあなたのため そっそそっそとへばりついてた 不機嫌なあなたの指で 潰されてしまったけれど 2 私は昔生意気なチャトラ猫で あなたの眠れない夜によく あな…