今日の短歌 未明
1 打ちつける粒のひとつを指で追い泣き出すきみの背中を見てた 2 スーパーで買ったお寿司のサーモンを狙いあってる水曜の夜 3 明大前そんなに人を詰め込んでひとつひとつが尊いなんて 4 大雨の夜はなにかが目を覚ますそれより…
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1 打ちつける粒のひとつを指で追い泣き出すきみの背中を見てた 2 スーパーで買ったお寿司のサーモンを狙いあってる水曜の夜 3 明大前そんなに人を詰め込んでひとつひとつが尊いなんて 4 大雨の夜はなにかが目を覚ますそれより…
1 「愛してた」なんて過去形はいらないメタルまみれのプレイリストに 2 回転をやめないミラーボールああライブハウスに骨を埋めたい 3 鮮やかにぶたれるドラム昔から優しいだけじゃなかったんだね 4 東京は人がたくさんいるけ…
1 大丈夫われわれはみなポンコツだこの痛みさえいつか笑える 2 復讐の計画を立てるよりラジオネームを一緒に考えようよ 3 半分こしたどら焼きの少しだけ小さいほうを選ぶのがきみ 4 面取りはまごうことなき愛情だ大事なことは…
1 窓辺には金木犀の香りまたきみがほどけるきっかけを生む 2 怖くてもほどけてもいいきみがすきそれより強い理由などない 3 予報にはなかった雨に濡れそぼり帰る家にはきみという謎 4 今どきはわかりやすさがウケるけどきみと…
1 コンビニの冷食売り場に永遠がわりと安値で微笑んでいる 2 永遠が「ん」で終わることしりとりで使えないこと腹が減ること 3 永遠の終わりを告げるレンチンに涙するひとだけで食べてよ 4 ぎこちなく扉は閉まる人びとがもった…
1 推しじゃないチーム同士の試合でも息を飲むのが日本シリーズ 2 ドラキュラも魔女もミイラも渋谷には行かずzoomで集まる今宵 3 ドラキュラの仮装できみは拗ねていた惚れ直すにはじゅうぶん過ぎた 4 暗闇に洋燈ランプ枯れ…
1 分けあってはふはふ食べる揚げたてのポテトふたりはもう大丈夫 2 マックでもマクドでもなくマクドナと呼ぶのはたぶんきみくらいだよ 3 海を見に行こうときみはつぶやいてナビを無視してアクセルを踏む 4 満ちてゆく潮に足首…
1 花を愛でときに毟って頬張ればおんなに生まれた意味しかわからない 2 パスワード管理ソフトのパスワード管理ソフトのパスワード管理 3 砂時計じっと見つめる二分間ちんもくもまたふたりの時間 4 ポケモンがドット絵だった頃…
1 焼き肉に連れていかれて泣いている場合じゃないしミノは焦げるし 2 つらかったはずなのにいま白米にのったカルビと真剣勝負 3 虹の橋を渡りたいと泣いた夜に大きな傘を差し出したきみ 4 虹の橋みんないつかは渡るからひとり…
1 新宿に向かう列車の沈黙をハイジの歌で破るガラケー 2 届かないメールをじっと読み返す誤字脱字がなくてさみしい 3 野良猫は忖度の対義語として尻尾ふりふり堂々歩く 4 猫の目を主治医に向ける診る者は見られる者と心得てお…