今日の短歌 ぽっぽっぽっ
1 砂浜で煌めくものだけを見つけてみてみぬふりを続けてた午後 2 口数が増えても助けてが言えない割れてはじめて風船だった 3 陰口を結束帯にしてたからほしくなかった友達なんて 4 十年後 人と人とを繋ぐのはご縁、忖度、黒…
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1 砂浜で煌めくものだけを見つけてみてみぬふりを続けてた午後 2 口数が増えても助けてが言えない割れてはじめて風船だった 3 陰口を結束帯にしてたからほしくなかった友達なんて 4 十年後 人と人とを繋ぐのはご縁、忖度、黒…
うっかりスマホを落としてしまった女子大生。知らない言葉一つ調べるのにも辞書が、電車の乗換えを調べるにも路線図がいる。友達と連絡を取るためには手紙を書かなければならない。徐々にそんな生活も悪くないなと思い始める。
「今って忙しいですか?」―Misakiより 「にゃん!」―from gyi8u 「あなたのアカウントは異常ログインをされたました」―xxxyo8T 「コン!」―まゆゆゆ☆ 「Be sure to read this me…
きみが神さまを自称しはじめてから、いつも私は寂しい。自称だなんて胡散くさいし、そもそもどこから見てもきみは、至って平凡なサラリーマンだ。 なのに、きみは確固たる意志をもって自分が神さまだと信じている。笑えない冗談か、はた…
甘いものが苦手だと思ってた。お酒が好きな人は甘いものよりお酒に合うものが好きなんだろうなって。 新入メンバーの歓迎会として開催されたホームパーティーで、あなたは他のみんながUNOに興じるなか、離れた場所に置かれたソファの…
雪解けは終わりの合図、春 そしてきみは言うんだ 「はじめまして」って 笑顔が似てきたね、と藍子あいこに言われて以来、ときどき鏡に向かって笑ってみる自分がいる。よく夫婦は似るものだと言われるけれど、私たちも例外ではないよう…
より暗いほうを見ていたかった。闇の濃くて冷たい空間に視線だけでも逃してやりたかった。 LEDで照らされた京王線の車内、帰宅のラッシュアワーを少し過ぎた頃に、どうにか座席を確保し仕事で疲れた体を沈めると、7人がけのロングシ…
ひとりとひとりとが出逢って、ふたりになった。孤独と孤独とを掛け算したかのようなモノクロの虚しさが、日々を重ねるにつれ、いつしか彩られていく。これはそんな、ささやかで、それでいてどこかが強烈にずれている、「ふたり」の、なん…
◈梅雨 雨のなか白い紫陽花を睨んで私の名前を呼ぶのはやめて とある日曜日、小雨のときは傘をささないきみが、ふと公園で立ち止まって「アナベル」という名前の白い紫陽花をじっと見ていた。 みるみる、きみの視線は鋭利になっていく…
窓辺には金木犀の香りまたきみがほどけるきっかけを生む 人の記憶は、匂いと強く繋がっているという。ウェブ記事で読みかじっただけの知識だから、深い理由や正確な仕組みはわからない。けれど、いま私のとなりにいる彼を見れば、そのこ…