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缶ビールひとつ分けあう連休にはだしになって夏待ち伏せる
2
カレンダーめくり忘れてループして四月に封じこまれたふたり
3
ピリオドを消し去りたくて加速する空も泣いてる夜のドライブ
4
昼寝するとなりで雨を眺めてる すき の呪文はまた独り言
5
街あかり きみはあらゆる寂しさに若草色の栞を挟む
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「ごめんね」を言い出せないで夕飯後渡すつもりのコンビニプリン
7
紫は動脈と静脈を混ぜた色あなたも僕も間違っている
8
キャラメルの箱を鳴らして笑ってた頃の記憶はもうおぼろげだ
9
エイプリルフールについた嘘として処理されてゆく愛の告白
10
選択肢から「M」が消え明治とは歴史の教科書だけに在るもの