1
「守りたい」「壊したい」とで揺れているきみの二の腕なんか冷たい
2
殺されるならほっぺたにいい歳をしてケチャップつけたきみがいい
3
ライオンは生存のためだけ殺すいのちの価値を知っているから
4
カレー屋の屋号が変わった気がしてて確認のためのバターチキンだ
5
新宿のエスカレーターのくだりに終わりがないと思わなかった
6
各停はだめなわたしをだめなまま古書とカレーの国へ導く
7
踊れないアルゴリズムはリズムだと思ってたのにアルゴってなに
8
銀の月 夏が死んだと気がついて声も殺して君が笑った
9
泣いてたの? なんてきけずにしめやかな夜を引っ掻くプラネタリウム
10
言い訳を数える指が足りなくてきみのも借りてまだ足りなくて