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私の庭(という強制的沈黙)

遠くで破裂音がして

目が覚めた青い夜は

寂しくなってもいい

冷たい廊下を裸足で歩いて

自分の首を絞めようとして

でもできなくて泣きました

カチューシャが似合わなくなって

夢の国だけでワンピースを纏って

どんどん静かになっていく私の庭

月、影、重なって、揺れる、

凍てついた扉を開け放って

破ったばかりのカレンダー

紙飛行機にして飛ばしたら

旋回してそっと沈みました

もう一度首を絞めようとして

爪を切ったばかりの両の手を

首元で交差させてみたけれど

マフラーみたいに巻きついて

とてもあたたかくてよかった

紙飛行機、地球、地平線、私の庭、

ゆれるゆれるゆれるゆれて

ざわつきざわつきざわつき

何もかもを過去形に肖って

幸せだったねって吐き捨て

本当に幸せになっちゃった

近くでオルゴールが鳴って

白い朝に目が覚めたのなら

悲しくなっていいでしょう

私の庭はどんどん静かになって

どこかのだれかの検索候補には

今日も寂しい言葉ばかりが並ぶ

上手く生きられない件ですが

そもそも上手く生きる必要が

どこにあるというのでしょう

——まだ大丈夫——

——だ大丈夫——

——大丈夫——

——うん——

——う——

———

——

ゆめからさめたら

おにわをおそうじ

なにもかもすてて

じぶんをあいして

いきていきましょ

いいこなんだから

いうことをきいて

もうだまっていて

沈黙

赤い羽根飾ったひとの何割が鳥の痛みを思うのだろう

2

いっせーの、でジャンプをしよう二分後に特急新宿行きが来るから

3

テーブルに並ぶナイフとフォーク見て「切って刺す」って呟いたきみ

4

花束と拳銃ならば花束を選んで撃たれる人生がいい

5

荒らげた声の寂しい(獣より寂しい)今は沈黙が華

6

前髪を切ったってのに誰からも気がつかれないで風まで凪いだ

7

足もとに転がる木の実またひとつ寂しくならない理由がない

8

後悔が美化されるからアルバムは笑顔の写真だらけなんだな

9

影ふみにルール説明がいるのか決められないと遊べないのか

10

月光に冴えたナイフの行くすえを身を寄せ合って見守るふたり