アイキャンフライ

アイキャンフライ、アイキャンフライ、どんなに唱えても悲しいだけなら、せっかく狂った甲斐がない。傷を負えば負うほど輝きを増すから、人のこころというのは厄介な仕組みをしているね。ときにその光に眩んで、大切なものを見落としてしまう。けれど、それを無様だと笑うことなんてできない。誠実なだけでは人は生きていけないから、しばしば無難さが正しさの仮面をつける。だから苦しかったんだね。アイキャンフライ、アイキャンフライ、ほら唇が楽しい。アイキャンフライ、つまりはリーヴミーアローン。狂ったあとで見上げた空にも、変わらずに光は満ちていた。悲しいね。