第二群  聖 夜

クリスマスも過ぎた12月27日、病棟に一本の電話があった。

「白田先生、工藤さんのご家族からです」
「えっ」

真水は思わず驚いてしまった。まさか、本当に連絡が来るとは思えなかったからだ。

「はい、白田ですが。……はい、ええ、はい」

電話の内容に、彼は目を丸くした。

「いらっしゃる、んですか。そうですか。わかりました。お待ちしています」

征二の兄、俊一が、年明けに見舞いに来るという。真水はカレンダーにチェックを入れた。

何事も、まったく何事も無かったかのように年が暮れていく。

非日常の日常が、流されるままに流れていく。箱庭の中は、どこまでも生温かい。

第三群  再 会 へつづく