ピアス

カルーセル止まらぬうちに咳隠す くるくるくるって楽しいねって 難しい顔をして聴くJ-POP あたしひとりで死んでいくんだ 手を振って笑ってないで今すぐにロックスターとして突っ込んで 受話器から聞こえる…

休日

mixiにつけてる君のぼやきなど今どき誰が読むというのだ 真剣な顔でスマホを操って今日この頃の愚痴を彩る ぽつぽつと消えてゆく泡を含んで甘ったるいと文句をつける ふたりして不機嫌な日は毛布から出ずにキ…

そわそわ

とりあえずキスでもしとく? 明日まだ呼吸してるか自信がないし ドーナツの穴から君を覗いたら虚しさの意味を思い知った 人間の仕組みなんです寂しいと爪を噛むのも旗を振るのも 丁寧語なんてやめてよ言い訳が上…

冬空

底冷えの街に暮らして明日もまた同じ夕陽を待ちわびている 街はもうクリスマスなどは置き去りそんなものさと笑うみなさん から回る歯車抱いて星空を見上げ損ねる日々を重ねる ほらここが孤独の巣だと指をさす左の…

生真面目は褒め言葉ではありません そろそろ上着を脱いだならどう 目に映るすべて愛してみたかった かつてあなたがそうしたように 嘘をつくとき両の目がよるという癖に気づいた私はえらい 目薬を五階からさすチ…

永遠という幻は芳しく多くの人を惑わす魔物 ひとはひと わたしはわたし それだけのことを解すのにきのこが生えた 横顔を射抜く真冬の夕焼けがずっとあなたを責め続けてる もう今日は帰らないでね いつもよりた…

凝視

だれひとり僕を知らない街にいて「こどく」の意味を僕は知らない 輝けと命令するな僕はまだ正しい呼吸もわからないのに 夢を見て初めて気づくこともある 今日も明日も燃えるゴミの日 カラカラと軋み続ける僕の骨…

青春

輝きを強制される僕たちは合言葉まで上書きされる 苦しいと笑ってしまう癖なのに礼賛されて真似までされて 風を受け微笑んだこと馬鹿にされいつの間にやら馬鹿にする側 真剣な悩みを友に打ち明けた 友であったと…

赤血球

醜さの喩えに使うためだけに私に合鍵なんてくれたの 私たち一緒の部屋で呼吸することさえ今や疑っている なにもかもどうでもいいと言うのならその指輪から外してみてよ 骨として去っていく者 「思い出」と「平等…

バス停

ゆりかごは遠くにあって手を伸ばす理由もなくて夏が去ってく セミたちの声にまぎれてから笑う そんなあなたがやっぱり好きだ 木陰から顔を突き出すバス停よ 優しい街に連れてってくれ 光から逃れるために明日な…