小包をほどく笑顔に春が来る

書きかけの恋文にひとひらの花

思い出の隅に映えるよチューリップ

少年の道しるべたれ春北斗

帰りみち綿毛を吹けば歌になる

日めくりとともに顔出す葉桜よ

シクラメン三連符まで連れてくる

四月馬鹿いいえ年中無休の恋

花冷えを言い訳にして逢いにゆく

空の下だれもひとりで花が散る