枯葉

しっかりと暑さを惜しむ棒アイス 古本の隅に見つけた私の名 肉筆がむかしむかしのひとの癖 オルゴール僕を彼岸に導けよ プラタナス並木に落とす影ふたつ

白と黒

僕には夢がある この口からもうこれ以上 クロアゲハが溢れませんように 家に帰ってきた君に 「おかえり」を言えるように この口からもう二度と クロアゲハが溢れませんように 私には願いがある あなたがもう…

謝辞

私が誰のことも笑わないのは 心優しいわけではなくて 誰かをあざ笑うときの自分の醜さを 思い知っているから きれいな言葉や 正しい行動ばかり求めていたら 臆病な自分だけが 水底に残ってしまいました 嘘つ…

妖精

番号の中に私の誕生日が隠れてるからスマホごと好き  「嫌いだ」と口に出せれば大丈夫 その素直さで生きのびてゆけ  石ころは磨けば光るわけじゃない 輝きなんてただの傷あと …

我もまた少女だったというひとの思い出に載る灰のアルバム 悲しいと爪を噛む癖を叱ってくれたあなたの影を踏んでた その人が絶対であり神であり愚者であったと気づくのが恋 大切を大切にして大切に抱えていたらグ…

解像度低めの心携えて行けるところまで行くのが恋 スコールのあとあなたが降ってきて少しもできない共感が恋  恋のせい ヘッドフォンから洩れ聞こえてきた君の声を遺書にした  手のひらに…

狂っててなにがいけないんだよ。

そんなに固い話を書くつもりはないし、専門用語をバンバン飛ばすのは美学にそぐわないので、なるべく伝わりやすい表現を心がけて書こうと思ったテーマが、「こんな社会だったらいいな」。 「社会」という枠組みで語…

クレヨン

偶然だ 血が赤いのもぬるいのもなかなか止まることがないのも ブラウスのピンクのしみは確実に君に恋した盛夏の残滓 オレンジを食べた! 朝から君のこと早く壊してみたいと願う たまさかに君の生存を知ったよ …

天使の遺言

笑えと言われたから笑ったの私いい子ですから 死ねと言われたから攣ったの私いい子ですから  それで、いつ愛してもらえますか  そんなことより頭が痛い 頭痛が痛いって誤用かな 本当の本…

僕のためのランパトカナル

今日はランパトカナルについて学びましょう。あなたのためであり、僕のためであり、みんなのためであり、誰もが地球にすべて帰するための貴重な手段の一つですから。 (英)lampatcanal (日)ランパト…